updated(first) | 09/03/2002 | last updated |
特集: わたしの好きなマンガ(1) (2) |
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CONTENTS
新しい試みとして皆さんに「読書メモ」(ブック・レビューのつもりなんです)を書いてもらうという企画です。 第1回のテーマは「わたしの好きなマンガ」です。 それぞれ好きなマンガ作品についての感想・思い入れを書いてもらう、というものです。 こちらでは最初の〆切までに届いた11篇のレビューを載せています。 なかなかそれぞれの個性が出て、面白い 結果になったと思いますが、いかがでしょう? 「BOOKの掲示板」に感想などお寄せ下さい。 |
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山崎豊子「沈まぬ太陽」にしようかと思いましたが、重いので「みゆき」にします。 二人の美人の女性に囲まれて、ほろっとするような作品ですね。「陽あたり良好! 」は 読まれましたか。 これもラストが最高です。 あだち作品は行間のセリフがなんかたくさんのことを考えられるように出来ていて、 好きなのです。 | ||||||||||||||||||||||||
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”15年間、猟奇犯によって監禁されていた少年が、少女と出会い、言葉を、世 界を獲得する・・・。” 一見ちょっと異色で、それでいて漫画臭いストーリー。けれども、この漫画の投げかけているテーマは、 「人間を、人間たらしめているものは何か。」 ・・・と、ちょっと重いです。 犬の檻(地下室?)の中に監禁され育った野生児トトは、マスコミによって家族 が分 裂した母子家庭の少女マコトと出会い、言葉や人間らしい世界の認識を獲得して 成長 していく。 その過程の中で起こるさまざまな事件(ホンットよくできてて、よく絡み合って る。 血なまぐさくて人間くさくて、そして涙をさそう・・)に葛藤し、トトの提起す るさ まざまな疑問は、私たちにも十分通じるものです。 ホント、野生児だったトトだからこそ発せられるような、子どもの「なぜ?」に 満ちてます。 この漫画では「コトバ」として、私たちが普段使っている話し言葉(聴覚)のほ かに も、触覚や嗅覚がとても重要な役割を果たします。そして、そうした様々な感覚 を通 した言語の存在を、トトの発する素朴な疑問の数々と共にトトを通して知り、読 む人 の「認識の世界」が広がっていくのを感じます。 (ちょっと漢字が多くなってきたましたが・・・) ・・・そしてそんなテーマを伝えているストーリーがまたスゴイ! あまり内容には触れられませんが、テンポよく事件が起こり、物語が進むのに、 絶え ず惹きつけられてしまうような自然な流れをもってます。しかも、ときに笑いを 誘 い、涙を誘う(誇張じゃありません。マジで泣けるシーンとかあります)、その 自然 なストーリーの裏に、かなり精巧に広く深い仕事をする人なんだろうな、って思 わせ るような作者の知識と観察眼が見え隠れするんですよ。 この漫画、全部でC巻あるんですが、無駄なシーンとかがなくて、しかもよくも まぁ あそこまで疲れさせず、飽きさせずに引っ張ってこられるもんだと感心してしま います。 ・・・さて、そんな重くなりがちなテーマをもったストーリーをささえているが 、さ そうあきらの独特のタッチの絵です。少女漫画でもなく、少年漫画でもない。とくに テクニックとして際立っていないのかな〜?とか思わせると、思わぬところで「 お おっ!」って思うような描写をしてみせたりする。ホント、いい絵だと思います 。 はっきり言ってマイナーなタッチです。線も細めだし、インクも多用してないの で、 やさしくて、淡いタッチです。猟奇的な流血シーンもあるんですが、トーンでひかえ めに(ある意味ではすごく冷静に)おさえて描かれています。 人物も、とてもそれぞれに個性があるんですが、絵のほうでもしっかりと書き分 けら れており、書き込みすぎて汚くなりすぎず、省略しすぎて誰が誰だかわからない 、な んてことにもならず、本当に絶妙なラインで描かれ、表情も豊かです。 見ていて、「あぁ、人間ってこんな顔するときもあるんだな」なんて気づかされ てし まう絵です。 長くなりましたが、『トトの世界』のレビューでした。 でわでわ♪普段あまり漫画は読まない方なのに、エラソーに語ってしまいました が。 書店で見かけることあれば、ゼヒ読んでみてください! この漫画、泣けます。かなり。 |
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「めぞん一刻」は20代以上の方ならほとんどの方が知っているマンガじゃないでしょうか? 「うる星やつら」「らんま 1/2」「犬夜叉」など週刊少年サンデーに長年人気マンガを描き続 けている高橋留美子ですが、このマンガが連載されたのは「ビッグコミック・スピリッツ」。 そう青年誌なんですね〜。だからといってこの作者独特のほのぼのとしたギャグ・センスが 変わっているわけではないんですが、「なにがおきてもおかしくはない」ファンタジー色は 大幅に薄められてます。 五代裕作はさえない浪人生。老巧アパート「一刻館」で奇妙な性癖のある住民に悩まされ、 「もう限界」と出て行こうとする。 そこに新しい管理人音無響子がやってくる。五代は彼女に一目ぼれし、一刻館に残ることになった・・・。 ご存知の通り、響子さんは「惣一郎」というだんなさんと死別していて、その思い出と共に生きている。 飼っている犬にも「惣一郎さん」という名前をつけているぐらいだ。 五代は優柔不断で妄想癖があり、いらぬ苦労ばかり背負い込む、およそ男としての 魅力には欠ける男だ。 この二人のじれったい関係がライバル三鷹瞬など周りの人を巻き込みながら スローテンポで進んでいく。最初に出たビックコミック・コミックス版では全15巻だが 二人の関係自体は9巻を過ぎる頃までほとんど進展がない。 その展開は誤解、すれ違い、遠慮の繰り返しで本当にじれったい。 大人になってみると「こういうことではダメだな」と妙に突き放して このマンガをみてしまったりするけれど、妙な郷愁もあって 時々はその世界に遊びたくなる、 僕にとってはかなり微妙なポジションの作品です。 ・・・オマケ・・・ ファンの方は先刻ご承知と思いますが、一刻館の間取りと各登場人物の名前は対照関係にあります。 管理人室 ;音無響子(無し=0) 1号室 ;一の瀬さん 2号室 ;二階堂くん(最初は空室) 3号室 ;空室(三鷹さんがいるからかも?) 4号室 ;四谷さん 5号室 ;五代裕作 6号室 ;六本木あけみ 他にもなかなか見えない惣一郎さんの素顔とか、一の瀬さんのご主人がどこで現れるか などカルト的な見方もできるこのマンガ。 石原真理子(現・石原真理恵)、石黒賢主演で映画化された(澤井信一郎監督、1986年)が これもカルト映画でした。珍品。 |
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いがらしみきおの4コママンガは一般的な4コマの概念を根底から覆すエキセ ントリックな内容とスピーディな展開で、初めて読んだときの衝撃は相当なもの でした。特にあのえげつないシュールな下ネタの数々には胸のすくような思いが したものです。マンガ史上において、4コマのフォーマットでの表現の幅を無限 大に広げたこの人の功績は計り知れません。その後シュールな4コママンガが雨 後の竹の子のように現れますが、奇をてらった軽薄なものばかりで、この時期の いがらしみきおの次元(真の狂気)に達した人は未だにいないのではないでしょ うか。 しばしの充電期間をおいた後、それまでとはかなり作風を変えた『ぼのぼの』 が思わぬロングヒットとなりました。もちろん『ぼのぼの』の根底にも静かな狂 気は流れているんですが、どうも表面的な穏やかさが私にはもの足りません。や っぱりいがらしはアナーキーかつアグレッシブじゃなきゃね。(特に下ネタは) |
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1巻もあるのですが、私的には2、3巻がめっちゃオススメです★集英社の月刊誌、「りぼん」から出版されてるのですが、少女漫画ではナイと断言出来るぐらいハイパー学園ギャグ4コマです! 最近3巻が発売されたのですが爆笑モノでした♪ |
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★感想 |
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「うる星やつら」といえば今の20代の方にはなじみ深い作品ではないでし ょうか? 現在でも「うる星やつら」の影響からではないかという現象は残っていま す。たとえば「ダーリン」、もうすこし古い年代の方だときっと「奥様は魔女 」からだと思うのですが、我々の年代はまずラムちゃんからです(笑) 正直、女性の方から見ればキモイと思われるかもしれませんが、我々の年 代の男性は多かれ少なかれ憧れのある人が多いのです。 かく言うぼくも彼女からはダーリンと呼ばれています(自爆) でも名誉のために言い訳させていただくと、言わせてるんじゃありません よ!(必死)いや、ちょっとはいいな〜くらいは言ったかも・・・・・限りなく言っ た気も(爆)この漫画の面白さは独特の世界観のシュールなギャグにあるわけですが、 それよりもなによりも一途なラムに対して素直になれないアホあたるとの掛け合いに あると思うのです! そんなアホあたるを見て、もどかしくなって自分なら即効OKだぞこんにゃ ろ〜と本気で思ってしまった人はマニアだけではないはずです(笑)またこの作品、裸同然の女の子が出る、と言う事で「見てはいけないTV」 としてPTAのやり玉にあがった所もあったそうです。 とまぁいろんな意味で影響力の強かった作品なわけですが、このままだと 危ない方向に話が行ってしまいそうなので最後にまともな話題を♪ この作品、アニメ化もされて原作よりもアニメの方がなじみのある方も少 なく無いと思うのですが、よくアニメ化されると原作よりもアニメの方でオリジナル 作品が流れますよね? でもこの「うる星やつら」は原作に無いオリジナルを放映しただけでなく 原作のみで、アニメ化されなかった話が多々あるのです!!! また、原作の最終話であり映画化された「うる星やつら 完結編 ボーイズ ・ミーツ・ガール」なんですが、原作では最後にラムがあたるに、いつか好きだと 言わせると言ったら、あたるが「いまわのきわに言ってやる」と言って2人で歩いて行 って終わるのですが、映画ではこのシーン無いんです! しかも、完結偏の後には10周年記念作品の「いつだってマイダーリン」 が放映されており、完結偏じゃ無くなっちゃったじゃん!と思いつつ、これを確信犯 だと思っていたぼくは20周年にはまた映画あるに違いない!!!・・・・・とっ勝手 に思って期待していてみごとに裏切られました(爆死)
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★感想 |
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以前行きつけにしていた漫画喫茶で、これに出会ってからは、発行されるのが待 ち遠しい。まっすぐにしか生きられない大学教授の柳沢先生とその家族が引き起こす、また は巻き込まれる事件や出来事を時には涙も交えながら、面白いストーリーにしている 。いわゆる堅物と見られがちな経済学を、先生は「人間研究である」と言う。大工の叔父さんから、卒業生でオカマの料理屋のおかみさん、二重人格だった天 才少年で、今やノーベル賞受賞かといわれる科学者、海外の有名ロック歌手までと、 多彩な交友関係を持つユニークで素敵な叔父様、柳沢良則さま。 奥さんがいつもと少し違うと、おでこに手を当てて「ほら、やっぱり熱がある、 お母さん今日は寝ていなさい。家の事は私がやるから」奥さんの日常をよーく知って るから変化も見逃さないのの。美容院に行っても気が付かない鈍感・無関心お父さん とは大違いよ(^.^) 早速お買い物。でもねぇ、安いものを買おうという、経済学者的行動はいいのだ けど時間掛かりすぎ、その上料理本通りに計量カップで図って・・出来たのは完璧。「おっと、もう9時。私はもう寝る時間だから、お母さん食べてください」まじめで、一生懸命で、やさしくて、こういう方なの。 奥様今日は怒ってるわ。本にばかり夢中で、家中本・本・本!!今日こそ、この憎っくき本を外に放り出 してやる!!切れちゃった。でもね、本の間からハラリと落ちた物は何?まあ、落ち葉の栞。そうだったわ、若い頃は本ばかり買ってミルク代や食費にも事欠く日々にでも、 あなたの傍にいつも私が居られるように、そっと落ち葉を栞に挟んで置いたのよ。大変、本が雨にぬれてしまうわ。この奥さんがいるから、先生が先生らしくいられるのよね。私も、死ぬまでには、こんないいパートナーを見つけたい。3人の娘とその家族、おじいちゃんのようになる!と言う孫の華子ちゃんも可愛い事件を起こしてくれるので、いつも楽しみな柳沢先生一家です。 |
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★感想 |
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しりあがり寿の一冊目の単行本「エレキな春」(1985年)の中でも、とりわけインパクトが強かったのが、この「流星課長」一作目でした。 ――満員の通勤電車での座席の争奪戦の末、いつも必ず座り、ウォークマンを聴き、単行本を読む課長の靴は、なんとロンドンブーツ! その秘密は―― 彼の初期作品のパロディーマンガは、元ネタを知らなくても笑える作品ばかりでした。ヘタウマ路線が流行っていた頃でしたが、彼の絵は、ヘタヘタ、に近いものでした。しかし、シュールなギャグのセンスがいつも光っていました。かつてはサラリーマンをしながら寡作だった彼も、いつのまにか大家になってしまい、現在に至っています。 | ||||||||||||||||||||||||
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★感想 |
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僕がこの漫画に出会ったのは小学生の時でした。漫画そのものに出会ったので はなくて、当時この漫画をアニメ化した映画がかなり話題になっており、映画の方に 先に出会ったわけです。 どのくらい話題になっていたかというと、そりゃもうそうとうなもんで、その 映画に原作の漫画があると知った僕は、さっそく本屋さんへ走ったのでした。 小学生の頃も今も、僕は漫画雑誌をまったく買わないですし、読まないのです 。一週間に一回、細々と読むよりも、単行本で一気に読むのが好きなんですね。とう わけでこの漫画も単行本を探しました。 ところがビックリ。単行本のくせにデカイ、高い(小学生に千円はキツイ。今 もだけど)。しかしそのなんともいえない魅力を放つ装丁と、異常な映画への盛り上 がりのせいで、小遣いを叩いてしまったのでした。 当時単行本は4巻まで出ていました。映画公開を待たずに、一気に読んでしま いました。どこまでも緻密に描き込まれながら、圧倒的な迫力の在る絵。サッパリ意 味が解らないのに惹き付けられる、勢いのあるストーリー。僕がそれまで(いや、そ れ以降も)読んでいた漫画とはまったく次元を異にする、もはや漫画を超え、一つの 独立した事象として僕の人生の一部となったのでした。 さて僕は漫画雑誌を読まないものですから、これが連載されていたヤングマガ ジンも、当然読んだことはありませんでしたし、それからも読みませんでした。です が続きが読みたくてたまらなかったのです。れいの映画を観ても、まったく落ち着け ませんでした。 4巻の最後には5巻の予告が付いており、そこには5巻で完結する、とあった のです。それで純粋な少年だった(ウソつけ!)僕は、ワクワクしながら5巻が出る のを待ったのです。待ちに待ちました。本当に、5巻が本屋さんの店頭に並ぶ夢まで 見てしまったくらいです。 ついに5巻が発売されたのは、2年後のことでした。飛び上がらんばかりに喜 んで読んだのですが、愕然としました。なんと、完結していなかったのです。そのこ ろは既に思春期も過ぎており、純粋に6巻をひたすら待つということはありませんで したが、まさか再び2年も待つとは。無事完結した6巻を読み終わった時には、本当 に感慨深いものがありましたよ。 僕は小学生の頃から漫画の単行本を、かなりな数集めていましたが、引っ越し などをしたさいに、その殆どを手放してしまいました。しかしこのAKIRAはいまだに手 元に置いていますし、一生手放すことは無いでしょう。 |
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★感想 |
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漫画といえば、、、 自転車に乗って胸も張り裂けんばかりに本屋に急いだのが懐かしい思い出。今思えば交通事故に会わなくてほんとによかった。少女漫画はいろいろ読みましたが、よく忘れる脳みそにもかかわらず鮮明に覚えているのが、「日出る処の天子」山岸涼子、「トーマの心臓」「ポーの一族」萩尾望都の作品などなど。特に「日出る処の天子」は、生来のSF&歴史好きの性向にもぴったりとマッチし夢中という言葉がふさわしく、日々漫画の世界に没入していました。 漫画の中で、主人公その人を好きになるということが、私の場合少ないのですが、(ONE PIECEなら、ゾロやシャンクスがよくて、ルフィーはだめなんですね。ま、年若すぎるせいもありますが。)厩戸王子だけは別でした。 才たけて美しく、その上サイキックでもある彼に憧れないSF少女はいません。私も例外ではありませんでした。そして自分を王子に感情移入し、蘇我蝦夷に恋するという複雑な技を駆使し、心行くまで作品を楽しんだのであります。 特筆したいのは、王子と仏教の関係です。もともと原始仏教に興味があったせいか、あの少し気味悪いといってもいい、魑魅魍魎が、王子の周りにまとわりつき、笑ったり身をくねらせたりする様が、ことのほか大好きでした。 「見える人」というのは、いるのかもしれない。限られた、何か特別な人というのは、「見えている」のかもしれないなとこの漫画を読んで、変に確信を持ったものでした。 それにしても、厩戸王子はすてき! |
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★感想 |
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まずは男性諸兄に質問です。 「目の前に玉のように美しくもかわいらしい男の子が現れました。どうします? 」 1、運命だ。アタック! 2、だってかわいくても男だし…理性と常識でブレーキ。 3、ブレーキもなにも、そもそも男は対象外。 さて、主人公の片割れ、鈴木くんの答えはもちろん「1」。 不良?で長身でリーゼント!な彼が、ホモと言われようがヘンタイと怒鳴られよ うが 一途に惚れちゃった相手・佐藤ゆうきくん(男)を追いかけるという、まあ簡単 に説 明すると、そんな話です。 テレビの深夜枠でドラマ化されたこともあるので、そ ち らをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。(ちなみに佐藤くんを演じた のは 佐藤藍子ちゃん) しかしね、鈴木くんの一途ぶりは偉い。 彼の佐藤くんに対する行動力は圧倒的で、迷惑も顧みず押しまくります。「佐藤 命」 は伊達じゃありません。そして頭ン中でかわいくてエッチな佐藤くんの妄想を繰 り広 げる姿は、かなり参っちゃってる人かも。 もちろんお約束の恋敵も出てくるわけで、バスケ対決、マンガ対決を繰り広げる 冴木 くんとか、佐藤くんの友人なのに何故かどさくさに紛れてマンガ対決に参加する 奥く ん(作者似?)とか、他にも色とりどりのキャラクターが話を盛り上げてくれま す。 そんなわけで、主線に絡んでくるキャラクターは一癖も二癖もあってどこか変。 しか しそれ以外の登場人物のちょっとした台詞に、何度頬をぞろりと撫でられたよう な思 いをしたことか。荒唐無稽な世界の所々に潜んでいる妙なリアルは、再認識する と格 別に醜悪。そういったものを取り上げるのは作者の感覚の為すところでしょうけ れど も、そもそもこの話自体が絶妙な線で作者の持つ世界観を内包しているので、そ こに 気付かないと終盤は見事な蛇足と感じてしまうかもしれません。 同性に惚れちゃった純粋な高校生の恋の結末は、いかに授けられるのでしょう。 どう ぞ皆さんも読み解いて、劇中に一筋の救いを見出して下さい。時を越えた運命は 晴れ て日の下に成就するか? で。折角マンガなので絵の方にも触れますと、人物はまるでフィギュアを連想さ せる ような甘いデフォルメです。特に女の子は触ってみたくなるような質感で、さら に作 者の趣味を反映して巨乳。そんなキャラクター達が超リアルな背景と同居してい るの です。 しかし、時に少女マンガもびっくりな夢香る絵柄は圧倒的な画力に裏付けされて お り、その緻密さは単行本の序盤に収録されている短編集を読んでいただければ一 目瞭 然。リアルなバイオSFを一級のストーリーで見せてくれる、実はそれこそが作者 の真 骨頂。そしてこの『変[HEN]』も、単なるコメディーとは一線を画する奥深さを持 ち 合わせている作品なのです(と思います)。もちろん単なるコメディーとしても 十分 に楽しめますが! と、くどくど書きましたが、最初の質問に戻ります。 男性諸兄の御回答は?…あ、失礼、あなたは女性でしたか。 でしたら、どうぞ『HEN』を読んで下さい。こっちはあずみちゃんとちづるちゃん の 女の子同士バージョンですの。 ※『変[HEN]』と『HEN』はタイトルは似ていますが別のお話。今回取り上げたの は 『変[HEN]』です |
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