いきなりですが、僕の父は、僕と違って非常に人望の厚い男です。貧乏人なが ら、仲人などを頼まれることも度々です。そんな父が仲人を務めた御夫妻に、赤 ちゃんが誕生しました。するとなんと、僕の父に名付け親にも成って欲しいと依 頼があったのです。父は大胆不敵な男にみえて、細かい所を気にする人なのです 。

名前を付けるからには、どんな面からも不備があってはならない、と姓名判断の 必要性を感じたのでした。

　元々父は名前にはこだわっていたようでして、長男である僕の名前などは、母 が妊娠した時から考察し始め、画数などを研究し、これぞ究極の名前というのを 考えつくと、まだ男か女かもわかっていない（無事に生まれるかどうかも）うち に、表札に名前を張り出したのでした（女だったらどうすんねん！）。

　細かいことを気にする父も、２０代のころは実行力が伴っていましたが、５０ 歳を過ぎると体が動かなくなっていたのでした。そこで父は、少々行動力は落ち るものの、頭脳明晰冷静沈着な（？）僕に画数の研究をするように依頼してきた のです。

　といっても、僕はそんなものを研究したことはありません。そこで早速近所の 本屋さんへ行ったのでした（記憶は定かではありませんが、図書館へも行ったと 思われます）。行ってみると、田舎の本屋でありながら、結構姓名判断の本はあ るものです（ちょうど風水ブームのころでしたし）。そこで、得意の立ち読みで 漁り読みし、最終的に買うことにしたのが、この本です（薄くて使いやすそうだ ったから）。

　この本によると、姓名には五運なるものが在るそうです。２字姓・２字名だと すると、姓２文字の画数を足したものが祖運、姓の２文字目と名の１文字目のを 足したものが主運、名２文字を足したものが初運、姓の１文字目と名の２文字目 を足したものが助運、４文字すべてを足したものが総運です。それら５つの運が 良くないといけないわけです。

　僕の本名は４文字でして、画数で表すと「９・５・１０・８」となります。 　　でその運を見るのには運数というものを使い、それは足した画数の下１桁を使 うそうです。すると僕の場合は、祖運４、主運５、初運８、助運７となり、総運 のみはそのままを使うので３２です。　

　まず主運で性格と人生がわかるそうで、僕の場合は「柔和で協調性に富んだ性 格」です（ウッソ〜！）。愛情運は「自分から求愛しなくとも相手から求められ る」（マジで？）。仕事運は「組織のなかにおいては、要のポストにつくことが できる」って組織には入ってないよ、と思ったら「独立自営であっても、かなり の成功が期待できます」とありました（期待だけかよ）。

　次に助運で結婚運が見られます。僕の場合は「この人の結婚相手は、自分のラ イフスタイルをしっかりもった、都会的なセンスの人」です（確かにタイプかも ）。

　祖運と主運の組み合わせで成功運が見られます。僕の場合は「いつでも自分の 力を認め引き立ててくれる人にめぐまれます」だそうです（そうですか？）。

　主運と初運の組み合わせで安定運が見られます。僕の場合は「他者の助けを得 ながら徐々に、しかも確実に発展する」です（ヤッタ〜！）。

　その後、また赤ちゃんの名前の画数を見る機会がありましたが、その時にはパ ソコンの姓名判断ソフトを使ったのでした（楽チン！）。