ホームへ戻りますシネマトップへ updated(first) 11/12/2002 last updated


エイリアン4 (1997/アメリカ)
監督  : ジャン・ピエール・ジュネ
出演  : シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、他


「エイリアン」シリーズの4作目。「エイリアン3」でエイリアンの子を胎内に孕み、死んでしまったリプリー(シガニー・ウィーヴァー)。これ以上話を続けるのは無理のはずだが、「200年後、クローン技術により、リプリーの細胞から彼女の意識を持った個体(ともう一つ別の生命体)を作り出すことに成功した」という設定で「4」が製作される。SF的な強引な設定といえるだろう。

リプリーが「再生」されたのは巨大人工衛星。ここでは政府の主導で極秘に遺伝子研究、エイリアンの飼育、増殖も行われている。そこにやってくるコール(ウィノナ・ライダー)ら国籍不明の6人のテロリスト。
彼らはエイリアンの存在に気づき、衛星内を占拠する。だがエイリアンの「増殖活動」はもう始まっていた・・・。

「1」であったような「密閉空間での戦い」という設定を多少意識しているようだ。
例えば宇宙船や衛星内では気密性が(酸素が有限なために)重視され、銃器の使用が実質上できないこと。壁を破損したり、出火してしまうと取り返しのつかない事態が懸念されるため。といってもエイリアンが目の前にくるとみんな平気で銃を使うし、この設定もご都合主義的に解釈されていて、まぁこの映画の欠陥となっているんだけど。
英語を意識して聞くとテロリストの使う言葉は相当に乱暴だ。軍隊では使用されることがあるのかもしれない女性蔑視、暴力的な表現が多用される。普通の人が共感できるメンタリティーを持っているのはウィノナ・ライダー演じるコールぐらいのものなんだが、彼女にもある秘密が。

リプリーは「3」でエイリアンと一体化してしまって、今作ではエイリアンに対して「母親」としての感情さえ有する、あまりにも超然としたキャラクターになってしまっている。人間嫌いもエスカレートしていて彼女のセリフははっきり言って他の男性キャラクターよりも「怖い」。
エイリアンのヌメヌメした感覚、人間の皮膚感覚にジワジワくる「触感、気持ち悪さ」は今作でも健在。
ただ初期設定を裏切るシーンがあまりにも多く、話としての説得力には欠けるのが残念。
でも「3」よりは若干マシかも。
あ、ジュネ監督の映像感覚は秀逸ですけどね。あくまでも話としての評価ということで。


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