ホームへ戻りますシネマトップへ updated(first) 05/10/2002 last updated


道 (1954/イタリア)
監督  : フェデリコ・フェリーニ
出演  : アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、他


フェリーニ、永遠の名作。やはり一般的には最も人気のある作品だと思う。
粗暴な大道芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)が少し知恵の足りない子供のような女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)を拾う。ザンパノはジェルソミーナの意思を無視し、彼女に対してひたすらに傲慢にふるまう。
そして・・・。

ザンパノは人間の負の部分を増幅させたようなキャラクターだと思う。どこかで大人になりきれていない彼は、「この女にならなにをしても大丈夫」と甘えている部分があるんじゃないだろうか。だがジェルソミーナも生身の人間だし、表面上はそれに耐えているように見えても(それにしても彼女の悲しそうな目はまるで犬のようだ)心の深い部分ではその悲しみは蓄積されていったのだろう。
ザンパノはその悲しみに気づいていながらやはり”無視して”いたのだと思う。
ラスト・シーンの彼の慟哭はそれにようやく気づいたためともとれるが、「そうなる前に気づけよ」というのが僕の感想。
甘くてセンチな話だけど、人間の原点を見るような感じでやはり外せない。


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