ホームへ戻りますシネマトップへ updated(first) 10/21/2002 last updated


トーマス・クラウン・アフェアー (1999/アメリカ)
監督  : ジョン・マクティアナン
出演  : ピアース・ブロスナン、レネ・ルッソ、、デニス・リアリー、フェイ・ダナウェイ、エスター・カニャーダス、他


スティーヴ・マックィーンとフェイ・ダナウェイの名作「華麗なる賭け」(1968年)のリメイク作。今作はピアース・ブロスナンが製作にも関わり主演、相手役はレネ・ロッソ。

トーマス・クラウン(ブロスナン)は金融会社の経営者で金には不自由していないプレイボーイ。美術マニアでもある彼はニューヨーク、マンハッタンの某美術館からモネの絵を盗もうと試みる。美術館の職員に変装した部下に潜入させ、ヘリも用意するなど大掛かりな「仕掛け」を施すが、それは全て陽動作戦。警察が右往左往するうちにほんの1分ほどの早業で自ら目的の絵を贋作とすりかえてしまう。
だがその彼の意図を「女のカン」でただ一人見破ったのが保険会社の査定員キャサリン(レネ・ロッソ)。
彼女はクラウンに「あなたの犯罪をあばいてみせる」と宣言し、接近していく。

リメイク作ということでそんなには期待してなかったんだけど、けっこう面白かったです。

レネ・ロッソ演じるキャサリンは最初は論が立つし、警察顔負けの活躍を見せるんだけどクラウンと本当の恋に落ちてから、その「論理」に微妙な影が差してくる。つまり迷うんですね。
ちょっとした「一言」でクラウンの側にググーっと寄ってしまう。
このあたりはフェイ・ダナウェイの時もそうだったんですが。ちなみにフェイ・ダナウェイはこの作品にもクラウンに問診する精神科医の役でゲスト出演しています。

ブロスナンの「にやけ面」をどう思うかで評価が分かれそうですね。
まぁスティーヴ・マックィーンと比べるのは酷なので、「ひたすらに美(美術品にしても女性にしても)を追求しながら、酷薄な面もある。だが最後には女の情を信じている」男を無難に演じてるってことでなんとか及第点でしょうか。

前作ではフェイ・ダナウェイとマックィーンがチェスのゲームをしてるシーンがとてもエロティックでいいんだけど、その部分はドレスコード(服装規定)が「黒と白」になってるダンス・パーティに変わっている。凝っています。ここで出てくるラテン・ジャズ・バンドはチコ・オファリル楽団でしてホンモノです。

クラウンの金にあかせた優雅な趣味も見もの。
まずなんといっても彼の豪邸に飾られてる絵の数々。フェイク(贋作)だとしてもすごすぎ。なんせ「モネ」のかわりに燃やしてしまう絵が「ルノアール」で「本物かどうかはわからないけどね」(少しは気にしろよ!)といった調子なのだから。
それにヨット・レースもやってるし、前作でも出てきた自家用機はプロペラ機からセスナに変わってる。キャサリンがボクシングをやっていたというのはレネ・ロッソの見事な肉体美から思いついたアイデアなのかな。

前作ではノエル・ハリソンが歌っていたミシェル・ルグランの名曲"The Windmills Of Your Mind"は劇中ではジャズ・ヴァージョンが流れ、エンディングではスティングが歌う。


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