ホームへ戻りますシネマトップへ updated(first) 03/01/2003 last updated


ボーン・アイデンティティ (2002/アメリカ)
監督  : ダグ・リーマン
出演  : マット・デイモン、フランク・ボランテ、他


ロバート・ラドラムのベストセラー冒険小説「暗殺者」(原題「The Bourne Identity 」、新潮文庫)を映画化。ラドラムは製作にも名を連ねていてこの作品はシリーズ化も噂されている。
マット・デイモンというとこれまで「理知的な青年」の役が多かった印象があるが今作では
「記憶を失った驚異的に強い男ジェイソン・ボーン(スペルは Jason Bourne) 」の役どころ。相手役に「ラン・ローラ・ラン」のフランク・ボランテ。

嵐の地中海で漁船に拾い上げられたひとりの男(マット・デイモン)。差裸で自分が何者なのかさえまったく記憶がないが、持っていたスイスの銀行口座だけを手がかりに調査を始める。突然謎の男たちに襲われるが、驚異的な身体能力で無意識に倒してしまう。一体この能力は? 
偶然出会ったマリー(フランク・ボランテ)とともにわずかな手がかりをたよりにパリへと向かう。
ボーンは指名手配され、警察にも追われることに。
彼の正体とは。

アクション映画としてみれば及第点には達していると思う。ヨーロッパが舞台で映像も洗練されている。僕が気に入ったのは
1.警察に追われたボーンとマリーがパリの一方通行道路を逆送していくシーン。カー・チェイスも「炎上する車バリバリ」というよりは研ぎ澄まされたクールな触感。
2.追い詰められたボーンがホテルの螺旋階段から飛び下りながら途中の階にいた敵を撃ち殺してしまうシーン。
3.あまりにも急激な状況の変化にとまどいを隠せないマリーと、朴念仁のボーンとのなんともちぐはぐな関係。マリーってとことん「普通の人」でこれがこの映画を観てても現実感を失わないでいられる秘密なんじゃないかと思う。
なんてあたり。

サスペンスとしてはボーンが警察、CIAに追われる理由も序盤でバレてしまうし、あとはお定まりの展開で新鮮味はない。スタイリッシュな映像美を楽しむべき作品。


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