【一期一会】
楽天の「コラボ日記」に発表した「一期一会」です。
「出あい」というテーマでしたが、僕はこんな「出あい」について書いてました。
「一期一会」という言葉が好きだ。 初めて会った人に対して「この人には2度と会えないのかもしれないのだから」という気持ちで誠心誠意接していく、そんな意味だと思っているんだけど。 ま、その結果、それが2回になったり3回になったりすることもあるんだろうけれど、 それはまた別の話。
以前ホテルに勤めていたことがある。 都内にある外資系の高級ホテルで客室清掃、いわゆるベッドメーキングのバイトを半年ほどしていた。
ホテルにいらしてるお客様に対してはもちろんこの「一期一会」の精神で臨んでいたんだけど。 今日はその一つを書いてみようと思う。 当然本人が特定できるようなことは書きませんが。
秋頃、白人の年配のご夫婦が何泊かされた。 ご主人の方が風邪をひかれてるということで 奥さんはそのことをとても心配してるようだった。
こちらとしても掃除中にもできるだけ、埃や雑音は立てないようにしていたけれど、 彼は椅子にかけたまま辛そうにしていた。
ひととおりの掃除が終わって部屋を出たが、奥さんが廊下まで走ってきて (正確にはなんと言われたのか覚えていないのだが)、 「クリネックスをいくつかくださいませんか?」 と頼まれたのだ。 それでそのホテルの客室のティッシュペーパーって実は置く数が決まっているんだけど、 ティッシュを一箱持って行ってあげた。 そのときかけられた「Thank You!」 の一言は忘れられないな。
その部屋には偶然そのあと2日、ご夫婦がチェックアウトする日までつくことになった。
2日目にはご不在のときに掃除していてお二人が帰ってきたので、 反射的に "It’s
Me." と答えてしまった。あとで調べたらこれは同格の人につかうくだけた言い方で 適切じゃなかったんだけど。 でもお二人ともなんとも言わなかったな。こちらの英語レベルもおそらくわかっていたのだろうけど。
3日目。 チェックアウトの際には奥さんの方からこちらに話しかけてきて 「あのときは本当に助かった」というようなことを言われた。 旦那さんも少しよくなったようだったけれど。
このバイトは正直僕には向いてない部分もあって かなりきつかったんだけど、こんな風に お客さんに励まされることは多かったな。
「一期一会」というのはこれからも大切にしようと思います。
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