7月の話なんだけど山田詠美の「熱血ポンちゃん」のシリーズを3冊読んだ。
主に電車の中で飛び飛びに読んだので甚だ乱暴な読み方になってしまったのだが。
一応3冊分の感想を書いておく。

山田詠美 / 誰がために熱血ポンちゃんは行く! 

誰がために熱血ポンちゃんは行く!
山田 詠美

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(読了日 2004/7/22)

山田詠美 / 嵐ヶ熱血ポンちゃん! 

嵐ケ熱血ポンちゃん!
山田 詠美

おすすめ平均
嵐ヶ熱血ポンちゃん!

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(読了日 2004/7/26)

山田詠美 / 路傍の熱血ポンちゃん! 

路傍の熱血ポンちゃん!
山田 詠美

おすすめ平均
ポンちゃんシリーズ大好き

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(読了日 2004/8/1)

山田詠美のエッセイ「熱血ポンちゃん」シリーズを文庫で3冊読みました。
シリーズで言うと3巻から5巻にあたり、1993年から1997年にかけての彼女の生活が描かれている。

山田詠美は「理解者」にはこの上なく優しい。
それによく甘える。
結果的に彼らとの関係は長続きする。

夫(日本をこよなく愛すアフリカン・アメリカン)の「C・D(仮名)」もそうだし、担当編集者ともよく海外や東京昭島の自宅や六本木で遊び、その関係は彼らが担当を離れても変わることはない。幻冬舎の石原ちん、新潮社の小林イタコ、森山女史などタメ口で気安く登場する彼らが出版社のオエライ人たちだというのもあっけなく笑い飛ばされていく。
他にもプロレスラーの前田明、作家の辻一成、大岡怜らはマブダチだし、姪っ子の「かなちゃん」もその輪の一員だ。
これが強力でワガママ、非常識きわまりない「山田ファミリー」。

正直彼らの「輪」の中に入りたい「山田詠美ファン」は多いことだろう。
でもそこには絶対入り込めない「なにか」がある。
まぁ単純にそんなに誰にでも「中」に踏み込まれてもキャパが持たないという至極当たり前な事実もあるんだけど。
彼らの中に入るのには「彼らの流儀」、なにをかっこ悪く感じ、
気持ちよく感じるのか、といった点に自分の身体がついていけないと
まずダメだろうな、と思う。

海外旅行の話が多い。
「さりげなく」というかごく当たり前にお金持ちなんだけど、
あまりにもあっけらかんと書かれているのでいやみがない。

「驚異的に仕事をしない」と自らのたまう山田さんだが、作品を実際に読めばわかるように、「文学」にかける思いは非常にストイック、マジな方なのである。
でもそれを正面から書いちまうなんてヤボが一番嫌いな人なんじゃないかなぁ、と思う。

遊ぶ話ばかり選んであえてドロドロとしたところには踏み込まないあたりがこのエッセイの進上かなぁとも思う。







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