深夜特急〈3〉インド・ネパール
4101235074 沢木 耕太郎

新潮社 1994-04
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おすすめ平均 star
star旅に出るなら、読んでソンなし
star若いということ、
star「あのドキドキ感」をもういちど。

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第3巻。

インドでかつてない混沌や虚無と出会い、「旅の疲労感」にぶち当たりながらも、
また新たな出会いを繰り返す著者。

ここまでくると著者はアジアでの「自分の意思の通らなさ」「なにごとも交渉次第(数百円をめぐって半日近い交渉をしたりと!)」といった状態に慣れて、それを一種のゲームのように楽しんでいる。

そういったバックパッカー、ヒッピーのもつ一種の「すえた匂い」にも自覚的で、
時々値切りに値切ったタクシー代が法外に安かったときや
安ホテルで無意味にときを過ごすときなど自己嫌悪に陥ったりもするのだが。

それにしても混沌、不潔、予想外のところ、状況にいけばいくほど
「燃える」というこの人のエネルギーというのはある種狂気に近いものがあるなぁ。
日本に戻ってから「まっとうな暮らし」に戻るのが不安だったと言われても
これなら納得できる。

インドではガンジスで「死」を見、旅に疲れた若者たちの姿に虚無を感じるなど
一筋縄ではいかない。

ネパールのカトマンズからの手紙は旅に出た当時書いたもののようで(「深夜特急」はアジア・ユーラシアの旅から10年以上経ってから書かれた)、ほかと比べると性急で余裕がない文章だ。
でもライブ感、臨場感ってこういうものなのかもしれない。
逆にときを経ることによって客観的に見れる部分もあるというか。
それが「深夜特急」が長く読みつがれてきた理由なのかも。

(読了日 2005/11/20)







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