沢木 耕太郎 / 深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海
Book
| 深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 | |
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沢木 耕太郎
新潮社 1994-05 おすすめ平均 |
第5巻。
トルコからヨーロッパに渡り、ギリシャへと。
なにかが変わった。
それはアジアであったような「向こうから（トラブルにせよなんにせよ）やってくる」という感覚。これが消え、都会でのごくふつうの暮らし、なにかこちらからアクションしなければなんのアクションも返ってこない。そういった世界へとまた「帰っていく」。
日本とそんなに変わらない世界観、規律で動いている社会だし、
同時にそれは旅の終わり、ゴールが見えてきたということでもある。
物価の面でも極端な安さはなくなり、1年かかってきた旅には一気に加速度がつく。
著者も今まで行かなかった「ごくふつうの観光地」を巡るようにもなるが、
彼の関心はやはり「生きている人間」その土地の人々に注がれている。
ただそれが「日常」に近づいてきた分、「非日常」であった旅とは違う色彩が加わってくる。
著者は「壮年期」にさしかかった旅をどう終えるかということを、考え始める。
（読了日 2005/11/25）
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