SAYURI
劇場鑑賞話題の「SAYURI」を観てきました。
正直期待はしてなかったですが、豪華絢爛な映像美は見ときたい。
それと僕はチャン・ツィイーとコン・リーは好きなので(笑)。
(注:ネタバレありです。またこの映画を素直に楽しんだ方には
不快な表現も含まれます。あくまで一個人の感想なのでご了承ください)
SAYURI (2005年 / アメリカ)
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監督 : ロブ・マーシャル
出演 :
チャン・ツィイー
渡辺謙
ミシェル・ヨー
役所広司
コン・リー
大後寿々花
桃井かおり
工藤夕貴
ほか
(あらすじ goo映画 )
9歳で花街の置屋へ売られた千代は、下女として働いていた。ある日、辛さに耐えられず泣いていた千代は、「会長さん」と呼ばれる紳士から優しく慰められ、いつか芸者になって会長さんに再会したいと願うようになる。時が経ち、15歳になった千代は、芸者の中でも評判の高い豆葉に指導を受け、「さゆり」としてその才能を開花していく。そしてついに、会長さんと再会することになるが…。
いろんな意味で不安材料が多かった映画。
原作もアーサー・ゴールデンの小説「Memoirs of a Geisha」だし、
スピルバーグが製作に加わり、「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督と
完全にハリウッド、アメリカ発の作品。
主演にチャン・ツィイー。それにミシェル・ヨーにコン・リーが特別出演と
アジアの大女優が主役をはる。
でも、舞台は日本。しかも花街、芸者の世界。
要所、要所に日本人俳優使ってるし、時代考証や美術の面で
日本人スタッフの手は当然入るだろうけども、
それでも「おかしなニッポン」を見せられてしまう可能性のほうが
正直大きかったと思う。
で、見てみたけど。
ハリウッド映画だということをわりひいて考えると
思ったよりおかしなところは少なかったように思う。
時代は昭和初期から第二次大戦で日本が負け、進駐軍が入ってくるあたりまで。
ちょうど日本の華族、貴族(彼らや新興の実業家が芸者置屋の重要な客筋であったことが描かれる)の没落期と重なり、芸者という職業も誇りとうらはらにその全盛期は終わろうとしていた時期。
「どこだかわかんない」というような時代背景不明の作品にはなってなくてよかった。
でも描かれるのは「芸者になればあの人に会える」というあまりにも幼稚な女性の
なりゆきまかせの人生。お決まりの女の嫉妬、いじめ、足の引っ張り合い。
「華やかな世界の裏側には・・・」と言いたいのかもしれないけど、
正直ストーリーに語るべき点は少ないです・・・。
コン・リーがかなりヨゴレな役をやってたけど、このキャラも薄っぺらくて、
たんに頭悪い人みたいだし。
酒と男におぼれてすさんでくのは、ちょっと安すぎ・・・。
少女期が思った以上に長くてちょっとダレてたのも。
チャン・ツィイーもきれいはきれいなんだけど、
「男を狂わせる妖麗さ」というのとは違う感じもしたし。
自分で自分の立場を悪くしていくのもあんまり頭いいとは思えない。
「会長さん」もそんなにいい男じゃないしな~。世界観がせますぎだよ。
「ゲイシャ」という間違ったオリエンタリズムに対するよくある憧れを
映像化しただけという感じは否めない・・・。予想の範疇だけど。
ミシェル・ヨー演じる「豆葉」ぐらいしか安心して見てられるキャラがいないです。
渡辺謙さんはちゃんと英語しゃべれてますね。でもそれぐらい。
基本が英語で、「オカーサン」とか片言の日本語が部分的に使われてるのもどう考えてもへんだし。姉妹同士でも(親は日本語だったのに・・・。英語指導失敗したのか?)英語だし。
着物はやっぱりなんかチグハグだし。
(たぶん当時の芸者さんより今の女優さんのほうが背も高いし、スタイルよかったりすることもあるんだとは思うけど)
それでもハリウッドならではのよさもあって。
祇園の街を見下ろしたときに延々と続く木造の町並み。
家具の仕立てや(電柱のない)お寺さんの情景。
こういうのって日本映画でまともに描こうとすると
一番お金がかかってしまう部分だし。
そういうことが遠慮なくできるのは逆にハリウッドの資本が入ってる強みかな、と。
おかしいところはたくさんあるけど、
豪華な映像美はキッチリ楽しめる。
それだけと割り切れれば楽しめるかな。
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『SAYURI』
『SAYURI』公式サイト
監督:ロブ・マーシャル
原作:アーサー・ゴールデン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:チャン・ツィイー 、渡辺謙 、ミシェル・ヨー 、役所広司 、
桃井かおり 、コン・リー 、大後寿々花2005年/アメリカ/146分
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ペッパーさん、こんにちは(^.^)
観てきましたよ、これ、凄く良かったです。
TBさせて下さいね(^.^)
コメント by るりひめ — 2005/12/16 金曜日 @ 11:54
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>るりひめ さん
どうもー。これ、よかったんですか?
うーん不思議だ。
まぁ日本だと思わなければいいのかもしれませんけどね。
美術や衣装はたしかにすごかったです。
こちらもTBさせていただきますね。
コメント by Black Pepper — 2005/12/16 金曜日 @ 17:32