嫌われ松子の一生
劇場鑑賞ずいぶん前、5/30に「嫌われ松子の一生」を観てきました。
山田 宗樹の壮絶な原作(感想はこちら)を「下妻物語」の中島哲也監督がどう料理するのか。
豪華キャストも含めて楽しみだったんですが。
嫌われ松子の一生 (2006年 / 日本)
写真クリックで公式サイトへ
監督・脚色 :中島哲也
出演 :
中谷美紀
瑛太
伊勢谷友介
香川照之
市川実日子
(あらすじ goo映画 )
昭和22年。福岡県でひとりの女の子が誕生した。お姫様のような人生を夢見る彼女の名は川尻松子。教師になり爽やかな同僚とイイ感じになるも、セクハラ教師のせいで辞職に追いやられる。ここから、松子の転落人生が坂を転がり落ちるがごとく、始まっていく。愛を求める松子の前にはさまざまな男が現れるが、彼女の選択はことごとく不幸へと繋がってしまうのだった。53歳、河川敷で死体となって発見された彼女の生涯を探る甥が見たものは?山田宗樹の人気小説を映画化した話題作。夢を抱いて就いた教師の職をクビになり、どうみてもダメダメな文学青年にお金を貢ぐ日々。やがてソープ嬢となり、挙げ句の果てにヒモを殺害。刑務所に入ることに。そんな壮絶すぎる女・松子の人生は、不幸なはずなのに、なぜか彼女を応援したくなってくる。男たちに利用され、搾取され、捨てられる松子。でも彼女は誰を責める訳でもない。不器用で一生懸命な松子を、「松子を演じるために女優を続けてきたのかもしれない」と話す中谷美紀が熱演し、これまでにない顔を見せる。
なんだかミュージカルになってましたね(笑)。
松子の心象風景をカラフルな花が彩り、
木村カエラ、ボニーピンク、AIらが画面にちょっとだけ出て松子の心情を歌い、踊る。
ともすれば、暗く陰惨な色彩になりそうなこの作品を
つきぬけたコメディーとして成立させてくれました。
松子の周りの男たちは絶望的なまでに生活破綻者で。
そんな男ばかり選んできた松子の甘さやもろさも
かなり問題だとは思うんだけど。
その男たちを演じる男優陣はかなりいい味を出していて。
保身のことしか考えないセクハラ教頭にカンニングの竹山。
歯が白いだけのさわやか教師谷原に佐伯俊二。
太宰にあこがれる破滅型の文学青年で松子の最初の同棲相手、八女川に工藤官九郎。
八女川の親友で彼へのコンプレックスのためだけに松子を抱くサラリーマン岡野に劇団ひとり。
松子をNo.1ソープ嬢に育てた赤木に谷中敦(東京スカパラダイス・オーケストラ)。
松子を九州から連れ出し、ほかの女に入れ上げたあげく殺されるヒモ、小野寺に武田真治。
殺人を犯した松子が逃げた先で一瞬の幸せを感じる平凡な床屋島津に荒川良々。
松子の転落のきっかけとなった中学の修学旅行時の万引き事件を起こし、のちに松子と再会したときは極道の道に入っていた龍洋一に伊勢谷友介。
かなりこわれてますね(笑)。
これ以外の脇役も豪華。チョイ役でスゴイ人が出てる。
特に松子の人生をたどる甥っ子笙を演じた瑛太なんてかなりいい味を出してたんじゃないかな。
逆に柴咲コウの出番は少なかったなぁ。
伊勢谷友介もかなり存在感はあったかなぁ。
めいっぱい明るく作っているけど
それでも松子という人の人生そのものは陰惨で
つらいものだ。
どこかでボタンをかけちがえたというよりも
こらえ性のなさや、ダメな男にひかれたり
なげやりだったり一貫性のない態度といった
松子の弱さがやっぱり「転落」の原因なのはハッキリしていて。
そのあたりで観ていて不快になる人もいるだろうし。
ヒットはしたけれども決して万人受けする作品じゃないと思う。
この映画を観て興味をもった人にはぜひ原作も読んで欲しいです。
あ、音楽もなにげに凝ってた。
「まげて~のばして~」という松子の鼻歌(笑)が耳に残って。
嫌われ松子の一生 (上) | |
山田 宗樹
幻冬舎 2004-08 おすすめ平均 |
嫌われ松子の一生 (下) | |
山田 宗樹
幻冬舎 2004-08 おすすめ平均 |
関連記事(試験運用中)
コメント/トラックバック:15 個 »
トラックバックURL: http://blackpepper.oops.jp/wp/archives/1706/trackback
トラックバック & ピンバック
-
嫌われ松子の一生・・・・・映画館
最近邦画ばかり見ているなあ〜。これは先週見たんですけどね。今日は『花よりもなお』見て来たし、これから見たいと思うものも『デスノート』や『TORCK2』等、邦画が多いんですよね〜〜。この『嫌われ松子の一生』の原作は、文庫本(上・下)で読みました。私としては、『……
-
嫌われ松子の一生
波乱万丈転落人生、でも松子は神や天使のような存在。だって相手の男が、クドカン、劇団ひとり、荒川良々etcだもん・・・恋なんて嘘だな・・・
-
嫌われ松子の一生/山田宗樹
やるせない思いで最終頁を閉じました。些細なことに何度も自分を見失い、流され、それでも死より生きることを選んできた松子。その人生の終わりがこれではあまりに辛すぎます。
体の弱い妹に父の愛情を奪われ、父の希望をかなえようとなった教師の職を追われ、失踪してあちこちを彷徨いながらも、必死に生きてゆく松子。感情に流され、積み重ねてきたものを根底から壊して、また一から、というよりむしろマイナスから人生を何度も繰り返します。
偶然のように起こる事件に翻弄される松子を見ていると、なんでもっと機用に生きら…
-
『嫌われ松子の一生』
松子。人生を100%生きた女。
■監督・脚本 中島哲也■原作 山田宗樹(「嫌われ松子の一生」幻冬舎文庫)■キャスト 中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、市川実日子、黒沢あすか、柄本明、木村カエラ、蒼井そら、柴咲コウ□オフィシャルサイト 『嫌われ松子の一生』 福岡県の大野島で産声を上げた川尻松子(中谷美紀)は、幼い頃からお姫様のような人生を夢見る少女。 生徒に人気の中学教師に成長した彼女だった… -
★「嫌われ松子の一生」
たまには邦画でも・・・(なんでーーー)
たまにはTOHOシネマズ川崎に・・・(なんでーーー)
下妻物語の監督の最新作だから・・・(なんでーーー)
見てみることにしてみました。
そう、この映画の主人公は「何でーーーー」ばかりの人生。トラックバック by ひらりん的映画ブログ — 2006/6/18 日曜日 @ 2:34
-
嫌われ松子の一生(映画館)
不幸って何?
CAST:中谷美紀/瑛太/伊勢谷友介/香川照之/市川実日子/黒沢あすか/柄本明 他
■日本産 130分中谷美紀があのおちょぼ口をするたんびに濱田マリに似てるな〜って思ってたら、濱田マリ本人がカメオ出演してたのが自分の中でも一番のツボだった。
この監督の前作「下妻物語」は主演の深田恭子が嫌いなため未見。そしてこれからも絶対観ないでしょう。
だからあの独特な映像はとっても新鮮だった。小鳥とかキラキ…
-
【劇場鑑賞55】嫌われ松子の一生(MEMORIES OF MATSUKO)
『私、川尻松子。大きくなったら素敵な王子様と結婚するんだぁ♪』
だけど、現実は・・・
教師をクビ
家出
同棲相手の暴力
不倫相手に捨てられ
ソープ嬢になり
ヒモを殺害
自殺未遂
刑務所行き
ヤクザの女に松子。人生を100%生きた女。
…
トラックバック by ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! — 2006/6/19 月曜日 @ 0:45
-
嫌われ松子の一生
映画、嫌われ松子の一生の一生を見てきました。ネタバレです。最初に松子が死んでいるところから話が始まるのですが本人は、いないのにどうやってこの先話を進めていくのだろうと思っていたらうまい具合に話が繋がっていって見ていて飽きなかったです。もともとの素材としては、充分ですが、映像としてあらわすのは、難しいと思いますが、見事に描かれていたと思います。中島監督に拍手を送りたいです。私は、時々ミュージカルタッチになるところが好きです。中谷美紀の濃厚なキスシーンも見ごたえあります。…
トラックバック by ブログ:映画ネット☆ログシアター — 2006/6/19 月曜日 @ 9:31
-
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生 原作一味違って、でも外れてなくて、おもしろい。楽しい映画だっ
-
嫌われ松子の一生
♪ま〜げて 伸ばしてお星様をつかもぉ♪ラスト 松子は天国への階段を登っていきました。まるで ハッピーエンドのように・・・父親に愛してもらいたかったのに父親はい…
-
「嫌われ松子の一生」中谷美紀は代表作を手に入れた
「嫌われ松子の一生」★★★★オススメ
中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介主演
中島哲也監督、2006年リアルを排除し、劇画タッチで夢のような作品。
悪趣味に近い表現が随所に散りばめられて、
「これは映画じゃない」と
正統派の心の声が叫ぶが、
「一人になるより…… -
嫌われ松子の一生見てきました。
正直最初は見なくても良いかなと思っていたのですが、他の方のブログを読むとかなり評判がよいので嫌われ松子の一生見てきました。
-
映画vol.59『嫌われ松子の一生』※舞台挨拶付試写会
映画 vol.59 『『嫌われ松子の一生』』※舞台挨拶付試写会
監督:中島哲也(「下妻物語」)
出演:中谷美紀 (あんどう)瑛太!!公式サイト
◇BONNYPINKさん 舞台挨拶
曲のイメージとはほど遠い、どちらかといえば大人しいお……
トラックバック by Cold in Summer — 2006/7/6 木曜日 @ 13:22
-
嫌われ松子の一生 06年134本目
嫌われ松子の一生
中谷美紀≒ 濱田マリ≒ 柴咲コウ≒ あたし> 山田花子
2006年 中島哲也 監督 山田宗樹 原作中谷美紀 、瑛太 、伊勢谷友介 、香川照之 、市川実日子
原作って、感動ミステリー巨編 (Official HP)?なの??http://bl…… -
嫌われ松子の一生
(06年6月鑑賞) 「近年稀に見る傑作。極めて悲惨な一生の物語を見せられて何故こんなに清々しい気持ちになれるのか。それはきっと人間讃歌になってるから。単なるカタルシス以上の物がそこにある。」監督:中島哲也。出演:中谷美紀、ほか。 先日、4回目を観に行っちゃいました(^_^;)。情報量が極端に多い映画なんで何度観ても新たな発見があります。 各所で絶賛されてるから改めてわしが書く必要もないよーなものだけど、それで…
コメント
コメントをどうぞ
コメント、トラックバックは確認後に表示されます。しばらくお待ちくださいね。
段落や改行は自動挿入です。メールアドレスはサイト上では非表示です。
使用できる HTML タグ: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong>
コメント