水曜の朝、午前三時
水曜の朝、午前三時 蓮見 圭一

新潮社 2005-11
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おすすめ平均 star
star懐かしさと切なさと、ささやかな希望で渇いた心が潤います。
star人生の岐路
star伝えようとする意思

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ちょっと変わった恋愛小説。

死を目前にした40代半ばの翻訳家の直美の「遺書」となる録音テープを
娘の夫が原稿に起こすという形態。
回想文で「わたし」と表される直美はいわゆるお嬢様として何不自由なく育ってきたが
1970年の大阪万博のコンパニオンを機会に親元を離れ、自分の「好きなように」生きるすべを探し始める。
そこには臼井という理知的で長身、意志の強い男へのまっすぐな愛情があった。

「わたし」と臼井の関係、大阪万博を中心とした当時の日本の雰囲気、後半澱のように現れる「差別」の問題。。
いろんな面から楽しめる小説。
どこか潔癖でストイックな主人公たちの姿は古典的だけれど、それだけに文学的な趣に満ちている。
時々入る箴言もピリっと効いている。

(読了日 2006/09/03)







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