公開が始まった「ワールド・トレード・センター」を観てきました。

最近また「911」を振り返ることが増えている。
今作もそうだし「ユナイテッド93」もそうだし。
ただ映画というフィクションでこういった遺族、被害者の方がいる生々しい現実を描くことには当然賛否があるかとは思いますが・・・。
改めて9.11で亡くなった方のご冥福をお祈りし、被害にあわれた方にお見舞いを申し上げます。

ワールド・トレード・センター (2006年 / アメリカ)

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監督 : オリバー・ストーン
出演 :
ニコラス・ケイジ(ジョン・マクローリン)
マイケル・ペーニャ(ウィル・ヒメノ) 
マギー・ギレンホール(アリソン・ヒメノ)  
マリア・べロ(ドナ・マクローリン)

(あらすじ goo映画 )
2001年9月11日、全世界がTV画面に釘付けになった、あの日。アメリカ同時多発テロの標的となったワールド・トレード・センターの地下で、逃げ惑う人々を必死に誘導する男たちがいた。港湾警察官のジョン・マクローリンとウィル・ヒメノのふたりもその中に…。しかし次の瞬間、ビルは崩落し、ふたりは地中深くに閉じ込められてしまう。極限状況の中、彼らに何が起きたのか?ふたりは互いに励ましあって、愛する家族のために最後まで決して希望を捨てずに困難に立ち向かう!。そして彼らの生還を信じて待つ家族…。TVでは知りえなかった、必死になって生きよう、そして助けようとした素晴らしい人間の姿がここにある。

この映画はあの「事件」の中ワールド・トレード・センターに自ら志願し乗り込み、生き埋めにあいながらも奇跡的に救出された2人の港湾警察官(PAPD)の「人生、生き延びるための戦い」に焦点を絞っている。
だから事件そのものの背景も全体像もいくら見ても見えてこない。
「ごく普通の、勇敢な」アメリカ市民がいかにあの「事件」に巻き込まれていったかの記録なのだから。
だからこそより恐ろしいともいえる。

マクローリン氏は4人の子供の父親であると同時に93年のワールド・トレード・センター爆破事件を指揮した経験豊かな頼れる指揮官として登場する。だがその彼も思いがけずビルが崩壊し、瓦礫の下に生き埋められ、部下が次々と死んでいくという状況では、「ただ生き延びる」ことだけに必死でなすすべもない。
彼と一緒に生き残ったヒメノ氏も妊娠中の妻を気遣うごく普通の人で
意識を失わないよう励ましあった彼らの話すこと、考えることはいつしか
家族のことだけになっていった。
極限の状況でむきだしの自我があらわになると、人間そうなるのかもしれない。

彼らの家族、それに彼らを助けようとした何百という名もない勇敢な人々の姿も感動的に描かれている。
ただこれは彼らの物語でありほかに犠牲になった2973人もの人々、その家族それぞれにもおそるべき悲劇が起きたことを忘れてはいけない。

またこの事件以降アメリカがとった行為を知っている私たちとしては
「命の重さに軽重はない」ということに彼らにも気づいてほしいと願ってやまない。

改めて9.11で亡くなった方のご冥福をお祈りし、被害にあわれた方にお見舞いを申し上げます。







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    1. ワールド・トレード・センター

      「人間って、やっぱりすばらしいなぁ、いいなぁ」ともっと感動的に脚色しているかと思ったら、意外と淡々としていてびっくりした。ユナイテッドとの違いはこちらは生存者が証言して、きちんと作られていることだ。…

      トラックバック by 八ちゃんの日常空間 — 2006/10/9 月曜日 @ 1:30

    2. ワールド・トレード・センター

      テロの主題は弱く,社会派ではないものの,
      犠牲者を悼む気持ちに溢れ,
      悲劇を見つめる眼差しは力強い。

      トラックバック by Akira's VOICE — 2006/10/9 月曜日 @ 10:31

    3. 「ワールド・トレード・センター」観てきました♪

      監督:オリヴァー・ストーン
      出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリア・ベロ、スティーヴン・ドーフ、ジェイ・ヘルナンデス

      2001年9月11日、いつものように仕事に向かうニューヨークの人々。
      午前8時40分過ぎ、その日あるはずのない旅客機の機影がマンハッタン上空を横切り、ニューヨークのシンボルともいえる2つのタワー、世界貿易センター北棟にアメリカン11便が、そし�…

      トラックバック by りんたろうの☆きときと日記☆ — 2006/10/9 月曜日 @ 11:56

    4. この題材で伝えたいメッセージとは?『ワールド・トレード・センター』

      同時多発テロの標的となった、ワールド・トレード・センターを舞台に、大惨事から奇跡的に生還した男性たちを描いた実話ベースの物語です。

      トラックバック by 水曜日のシネマ日記 — 2006/10/9 月曜日 @ 14:38

    5. 映画「ワールド・トレード・センター」

      2006年53本目の劇場鑑賞です。公開翌日観ました。「プラトーン」「7月4日に生まれて」のオリヴァー・ストーン監督作品。9.11米国同時多発テロの際、崩落した世界貿易センタービルの瓦礫の中から奇跡的に生還した2人の港湾警察官の感動の実話を映画化。9.11米国同時多発テ……

      トラックバック by しょうちゃんの映画ブログ — 2006/10/11 水曜日 @ 0:56

    6. ワールド・トレード・センター 2006-56

      「ワールド・トレード・センター」を観てきました〜♪

      2001年9月11日、港湾警察に勤務するジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)は、いつものとおり仕事に向かった。やがて彼の耳にワールド・トレード・センターに旅客機が突っ込んだとの連絡が入る。状況が完全に把握できない状況で、彼は部下のウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)達と共に、タワー2へ向かう・・・

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      トラックバック by 観たよ〜ん〜 — 2006/10/16 月曜日 @ 6:38

    7. ワールド・トレード・センター−(映画:2006年129本目)−

      監督:オリバー・ストーン
      出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール

      評価:77点

      公式サイト

      (ネタバレあります)
      2001年9月11日、アメリカ同時多発テロによってあのWTCが崩れ落ちていったときに、私はどっかの居酒屋……

      トラックバック by デコ親父はいつも減量中 — 2006/10/21 土曜日 @ 23:54

    8. 『ワールド・トレーディング・センター』

      勇気そして生還これは、真実の物語。

      ■監督 オリバー・ストーン■脚本 アンドレア・バーロフ■キャスト ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリア・ベロ□オフィシャルサイト  『ワールド・トレーディング・センター』 2001年9月11日、午前8時40分過ぎ。 ニューヨークのシンボルともいえる2つのタワー、世界貿易センター北棟�…

      トラックバック by 京の昼寝〜♪ — 2006/10/22 日曜日 @ 12:06

    9. ワールド・トレード・センター ~むせび泣くアメリカ人の隣で・・・

      8月11日アメリカ公開  映画は公開初日に見るものだ。 少なくとも、公開3日以内には見たい。 客層が全く違う。 本当に、その映画を見たい人だけが集まっているから、独特の雰囲気と熱気に包まれる。 「ワールド・トレード・センター」を公開初日……

      トラックバック by シカゴ発 映画の精神医学 — 2006/10/27 金曜日 @ 14:40


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