重松 清 / 日曜日の夕刊
Book日曜日の夕刊 | |
重松 清
新潮社 2002-06 おすすめ平均 |
重松清さんの本はなんというか「ごく普通の人」が描かれていて、
生活に劇的な変化があるわけでもなく、とんでもないシチュエーションにいるわけでもなく、
ごくごくちょっとしたことに悩み、「これ!」という解決策で状況が打開されるわけでもない、そんな日々を描いたものが多い。
まぁ普通の人の生活に近いわけで、「そうそう」「そうだったのか」と共感することも多いし、ホロリとくる。
あと主人公による語り口の変化も巧みで、小学生の息子を持つ父親も「ギャル」入ってる女子高生の乱暴な語り口もダラダラとした日常を送る大学生も、「それらしく」語り分けてしまう文章はなかなかない。
この本はそんな「名人芸」12編が収録された短編集。
日曜日についつい夕刊を待ってしまう、そんなあなたはきっと疲れてるんですよ(笑)。日常からちょっとだけ浮き上がった世界。
そんな意味もあるんだそうだ。
今の気分で気にいったのは
娘に逆上がりのコツを教えるうちに子供のころの親父の気持ちに気づく「さかあがりの神様」、
細かいことばかり気になる男と彼とつきあうとてつもないガサツ、ズボラな彼女のドタバタ(この男のモノローグが傑作! こんな男ほんとヤダ(笑))「チマ男とガサ子」、
レギュラーにどうしてもなれない息子を監督として父親として悩ましく思う「卒業ホームラン」
といったところ。
(読了日 2006/12/18)
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