山茶花は見た―御宿かわせみ〈4〉
山茶花は見た―御宿かわせみ〈4〉 平岩 弓枝

文藝春秋 2004-08
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おすすめ平均 star
star結びの1文に込める想い
star源さんピンチの第四巻

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「御宿かわせみ」第4巻。8編を収録。

「山茶花は見た」
山茶花はさざんか、のこと。
「かわせみ」の常連万国屋の主人から品川方面に現れる盗賊について相談を受ける東吾。唯一の目撃者だというおきくという女中の話を手がかりに、ある「仕掛け」をほどこし。
やりすぎない、ほどよい仕掛けは気持ちがいい。

「鴉を飼う女」
鴉はからすと読む。
窮地を東吾に助けられたお絹という娘。
父親が殺され、犯人は香具師の大親分文七だと言うお絹の話から
調査を始めるが。

二重三重のどんでん返し、東吾がどこまで読んでいたか、
意外な色事の結末、投げ出刃を操る敵との死闘など見所の多い回。

「ぼてふり安」
女に入れあげ、自分の娘を女郎に売ろうとまでする安吉。
東吾はおりしも連続辻斬り強盗を追っていたが、その状態も見捨てておけずに
安吉から金を奪うある方法を思いつく。

あやうく強盗になりかけた東吾に仲間の同心たちが本気で心配するところがなんとも面白い。

「御宿かわせみ」は結びに必ず季節を感じさせる一文を持ってくる。
パーンと俯瞰になる瞬間であり、余韻を感じさせる。

(読了日 2007/2/7)







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