幽霊殺し―御宿かわせみ〈5〉
幽霊殺し―御宿かわせみ〈5〉 平岩 弓枝

文藝春秋 2004-09
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おすすめ平均 star
star第5弾

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第5巻。7編を収録。

「恋ふたたび」

「かわせみ」の物置で子供が見つかった。中村屋という薬問屋の5歳になる正吉という子だが、家出したのだという。実はとりかぶとを義理の兄長松の飲み物に入れ、こっぴどくしかられたのだという。
母親であるおとせに連れられ正吉が帰ったあと、またも長松にとりかぶとが盛られ、今度は亡くなってしまう。
兄殺しの嫌疑がかかってしまった正吉を「そうではあるまい」と事件の背後を洗う東吾。

この一件が落着した後、東吾はおとせと正吉親子を自分が師範代である狸穴(麻布)にある方月館に住まわせる。やがてここは八丁堀の実家、かわせみに続く東吾の第3の家と呼べる場所になる。

「幽霊殺し」

料理屋「やなぎ」の主人安兵衛が幽霊として枕元に立った影を脇差で突いたらなんと屋敷の女中だった。
幽霊殺しは笑い話としてかたづけられそうになったが、東吾と源三郎はふときなくさいものを感じ・・・。

東吾と婚姻の話がある麻生家の娘七重が登場し、るいとしては気が気でないが東吾はそのあたり無頓着である。この2人は身分のこともあり、なかなか結婚までいかないのだが、このぬるま湯のような関係もこの作品の味か。

「源三郎の恋」

畝源三郎=源さんは東吾の幼馴染で兄通之進配下の同心。
女嫌いの朴念仁として知られる(このあたりなんだかんだでもてる東吾とは対照的だ)がそんな源さんに好きな女ができ、という話。
飯倉(六本木の飯倉片町付近)や白金といった地名が出てくるが、このあたりは当時はまだ下町にくらべると開けていない。不思議だ。

(読了日 2007/2/20)







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