平岩 弓枝 / 鬼の面 -御宿かわせみ 13
Book鬼の面 [新装版] 御宿かわせみ(13) | |
平岩 弓枝
文藝春秋 2005-07-08 おすすめ平均 |
第13巻。7編を収録。
このあたりから登場人物たちの関係や背景に大きな変化が見られる。幕末という動乱期に入ったということもあるし、るいと東吾の「長い春」を決定付けていた要素が1つ1つほぐれていくのだ。
「大川の河童」
八丁堀の香苗のもとに妹の七重がやってくる。父麻生源右衛門が食欲をなくし、なにを作っても口にしないのだという。東吾は友人の天野宗太郎を七重に紹介する。
その頃大川で船が転覆するという事故が起こる。なんでも船頭が河童を見たというが・・・。
この回で七重と天野宗太郎が出会う。七重は東吾の幼馴染であり、兄嫁の妹。七重が東吾を慕っており、父源右衛門が東吾を婿にと考えていたことなどから数年来の懸案となっていた。七重自身はるいの存在も知っており、認めていたが最後のふんぎりがつかないでいたのだ。
天野宗太郎は将軍家の典医をつとめる天野宗伯の息子だが貧しいものを救うため治療代度外視で診療するなど型破りな人物だ。腕はよく特に薬の処方にすぐれる。東吾とはひょんなことで知り合い、もっとも言いたい放題で気の置けない友人としてつきあっていた。
「忠三郎転生」
病人のある家に容態が急変したと騙り、扉を開けたところを押し込むという卑劣な強盗が現れるようになっていた。事情を聞いた東吾は畝源三郎を手伝って調査に出向く。
「この事件には医者がからんでいるな」
天野宗太郎に聞き弟の宗二郎に協力を願うが・・・。
後半七重と天野宗太郎が賊にさらわれ、2人の命を救おうと東吾は必死の追跡を行う。
「かわせみ」の嘉助や源三郎まで凶刃に倒れ、大怪我を負うという大ピンチに見舞われ、この回は久々に緊迫感にあふれる回。
下手人は岡崎半次郎。4年前に江戸を荒らしまわった盗賊の首領江島屋の忠三郎と同一人物であり、その背後には水戸藩があった。
最大のピンチが縁結び、ということかこの回で宗太郎は自分の気持ちを七重に告げ、宗太郎は麻生家の入り婿として迎えられることになる。
(読了日 2007/3/19)
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