神かくし [新装版] 御宿かわせみ(14)
神かくし [新装版] 御宿かわせみ(14) 平岩 弓枝

文藝春秋 2005-09-02
売り上げランキング : 109791

Amazonで詳しく見る by G-Tools

第14巻。8編を収録。

「天下祭の夜」

山王日枝神社の山王祭(天下祭)が近づき、江戸はにぎわっていた。
足利(栃木)の呉服屋羽鳥屋の夫婦が祭りにあわせてかわせみに宿泊していたが、
その内儀およねがかつての恋人政吉と逢引しているところをるいと嘉助は見てしまう。

華やかな江戸の天下祭、その裏側で思わぬ事件が、という話。

兄通之進が東吾の奉行所出仕の準備を始める。家督を東吾に継ぎ、若くして隠居を考えているのだ。「かわせみ」を人にまかせることができるかとるいと相談を始める東吾。2人の結婚がにわかに現実化する。

「目黒川の蛍」

嘉助の眼が悪くなり、越後(新潟)の五智如来の噂を聞く。
眼病がなおるといわれ、大変流行っているという。

狸穴の方月館から東吾、正吉、師匠の松浦方斎と目黒不動に蛍見物へと出かける。そこでおたねという眼を悪くした女性と出会うが、彼女も五智如来に行ったのだという。結婚を約束した男に逃げられたのだともいうが・・・。

眼が見えなくても見えるものがあるはずという平岩さんのやさしさがにじみ出る作品。
なお嘉助については麻生宗太郎(結婚して麻生家に入った)の見立てで眼鏡を作り、日常生活には支障がなくなった。

「麻生家の正月」

大晦日。臨月だった七重が産気づく。
源右衛門をはじめ皆が心配して待つ中女の子が誕生する。花世と名づけられる。
祝いにわきたつ中深川長寿庵の長助が同業の蕎麦屋伊助を預かってくれと「かわせみ」に頼みに来る。
夫婦喧嘩で飛び出してきたのだという。
伊助は女房の尻に引かれ通しで家事全般こなすがとうとうこらえきれなくなったという。

年があけ忙しく年始まわりをする東吾。
5日が過ぎ、気がつくとまだ伊助がかわせみにおり、しかも宿仕事の手伝いまでしている。
これはなんとかしなければと東吾は長寿庵を再び訪ねる。

夫婦のことは当人同士でないとわからない、を地で行く展開。
宗太郎がおむつの替えや洗濯まで嬉々としてやる子煩悩な人になるとは思わなかった(笑)。

(読了日 2007/3/20)







関連記事(試験運用中)

  • No related posts




  • コメント/トラックバック:0 個 »

    トラックバックURL: http://blackpepper.oops.jp/wp/archives/2010/trackback

    この記事にはまだコメントがついていません。

    コメントをどうぞ

    コメント、トラックバックは確認後に表示されます。しばらくお待ちくださいね。

    段落や改行は自動挿入です。メールアドレスはサイト上では非表示です。
    使用できる HTML タグ: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <code> <em> <i> <strike> <strong>