平岩 弓枝 / お吉の茶碗 -御宿かわせみ 20
Bookお吉の茶碗―御宿かわせみ〈20〉 | |
平岩 弓枝
文藝春秋 1998-04 おすすめ平均 |
第20巻。8編を収録。
「お吉の茶碗」
「かわせみ」の女中頭お吉は噂好きでそそっかしくよく失敗しているが、働き者でみなに頼りにされている。
このところは大売出し(バーゲンですね)の買出しにハマっているが、とある骨董屋で買ったお茶請けをせっかくだからと東吾にもらう。ご飯茶碗として使うという。
3日後お吉が買い物した骨董屋で主人が殺されるという事件が起こる。
名バイプレイヤーお吉が主役の回。かといって事件を解決するわけでもなくいつものように騒いでいるだけ(笑)。お吉に送られた茶碗が実はとてもいいものだったというオチがつくけれど、彼女ご飯茶碗をよく割るらしい(笑)。
「さかい屋万助の犬」
深川の六万坪という埋立地にさかい屋万助というものが大きな屋敷を建てた。
上方(関西)で異人から鉄砲、大砲などを商い財を成した一代の成り上がりで、外国から入手した大きな犬が自慢で富岡八幡宮に連れて行き、話題になった。
あるとき深川佐賀町の大工孫八の娘おようが万助の館に行ったきり、帰ってこないという。
ネタばれをしてしまうと、これは狂犬病の話。
狂犬病におかされた犬が人にかみつき、さらにその人が、と。
罪もない人が亡くなるのはとても気の毒である。
「怪盗みずたがらし」
東吾が軍艦操練所の仕事の練習航海で家を空けることが多くなり、かわせみの連中はさみしい思いをしている。
このところ江戸では「怪盗みずたがらし」というあだ名の正体不明の盗賊が跳梁跋扈している。「みずたがらし」というのは水田に生える雑草で繁殖力がつよく、水田をダメにしてしまうという。
手口としては店のものをなにかの力を使って(南蛮渡来の「ねむり虫」などと噂された)眠らせ、その間に数人で忍び込むというものだったか、いつの頃からか火付けもするようになり、被害も拡大していた。
この回では捜査の舵取りをほとんどるいがしてしまい、最後の最後まで東吾の出番はない。見事に留守を守った女房という形だけれど。
(読了日 2007/4/2)
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