平岩 弓枝 / 源太郎の初恋 -御宿かわせみ 23
Book源太郎の初恋―御宿かわせみ〈23〉 | |
平岩 弓枝 文藝春秋 2000-05 売り上げランキング : 59513 おすすめ平均 |
第23巻。8編を収録。
この巻では、東吾とるいの間に念願の子供が誕生する。
千春と名づけられたこの子の存在で「かわせみ」は一気に明るくなり、
同時に東吾らもかつての無鉄砲だった青春時代とは違う責任を負うことになる。
「虹のおもかげ」
定廻り同心(畝源三郎の同僚)の吉田又蔵が刺殺され、通夜の席で故人の子だという5歳の男子が名乗りをあげる。また又蔵が離縁した最初の妻の子である大木広田朗という青年がなんとか葬儀に参列したいとかわせみに相談に訪れる。
それぞれの親戚もからみ吉田家の跡目争いが起こり、予期せぬ騒ぎとなる。
一方東吾は狸穴に泊まった帰りに溜池のあたりで5,6歳の少年が蝉を取っているのに出会う。不思議に気の休まるものを感じた東吾は彼に蝉の取り方を教えてやるが・・・。
この子が麻太郎であった。
かつて清水琴江という女性と東吾との間にできた子で、筑後(熊本)に嫁いだ琴江は夫が亡くなったのち、立花家の娘に仕えていたがこのほどその娘の京極家との婚姻について江戸に戻ってきたのだという。
「笹舟流し」
麻太郎に会って以来、東吾は動揺する。
彼をなんとか引き取って自分の手で育てられないかと事情を知る麻生宗太郎に相談する。るいには正直に話すが、別れないという。
宗太郎は琴江に東吾の気持ちを話すが、琴江からは麻太郎はあなたとの子ではないし、手放すつもりもないと断られる。
放心状態の東吾。かわせみでも別の問題が起きていた。
るいに子供ができたのだ。
「源太郎の初恋」
畝源三郎の長男源太郎が7歳になった。正月のあいさつに「かわせみ」にやってきた彼を富岡八幡宮に案内してやり、いきあった花世を連れて麻生家にあいさつに行く。
花世は虫歯で元気がなく、後日源太郎は歯の養生に効くという日比谷稲荷に花世を連れて行く。夜になり、狸穴にいる東吾を訪ねるという花世。父宗太郎には歯を抜かれてしまうだろうし、痛いのはいやだというのだ。道中花世の具合が悪くなり、近くの番屋で暖をとらせてもらう。
ところが番屋にいた若い男は役人ではなかった。
ときどきこういった子供が活躍する話が出てくる。
あぶない目にあって大人たちをひやひやさせるのもしばしばだが、
そこは鷹の子、今回は源太郎の機転で難をのがれる。
「立春大吉」
るいに子供が生まれる。女の子だ。かわせみは喜びにわきたち、東吾の兄通之進が名付け親となり、千春と名づけられる。
一方深川長寿庵では博打に熱中し、子供をかえりみないお初という女のことが話題となる。
(読了日 2007/4/12)
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