宝船まつり―御宿かわせみ〈25〉 宝船まつり―御宿かわせみ〈25〉
平岩 弓枝
文藝春秋 2002-04
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第25巻。8編を収録。

「大力お石」

かわせみに新しい女中がやってくる。お石といって13歳だが男性と変わらない上背があり、山育ちで力こそあるものの、お国なまりがひどく、江戸言葉が聞き取れない、どんくさくて気が回らないなど多くの問題を抱えていた。
女中頭であるお吉は文句をいいながらもこの新米の教育にかかったが・・・。

東吾は彼女に「金太郎」というあだ名をつける。
3,4年もすればどこに嫁に出しても恥ずかしくないようになるというかわせみの教育方針はあたたかく、見事だ。

「女師匠」

深川で手のつけられない2人の不良娘がいる。お照とお鹿といって人ごみでぶつかったと因縁をつけてお金をゆする、弱いものいじめはする、着物に墨をなすりつけるとみなにあきれられている。
お吉は「叱ってやったほうがいいんですよ」と怒るが、彼女たちの寺子屋の師匠だという杉江が必死にとりなして2人をかばっていた。
ある日寺子屋の指南料を盗んだと責められたお照が逆恨みして杉江の顔に熱湯をかけてしまう。

どうしようもない子というのはいる。家庭環境に問題があったり、ひねくれてしまって周りのいうことを素直に聞けなかったり。
そんな彼女たちを最後まで見捨てなかった女師匠の語る「わたしもお照のような子供だった」と語る言葉は重い。

願いは通じるのだろうか。

(読了日 2007/4/21)







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