鬼女の花摘み 御宿かわせみ(30)
鬼女の花摘み 御宿かわせみ(30) 平岩 弓枝

文藝春秋 2005-08-03
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おすすめ平均 star
star久々に、捕り物話、という感じ!

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第30巻。7編を収録。

「鬼女の花摘み」

仙台堀川で毎年恒例の花火があり、東吾は、麻太郎と源太郎を伴って長寿庵の物干し場で花火を見物させてもらうことに。麻太郎は幼い姉弟が腹をすかせているのを見かけ、大福もちを買ってやる。
姉弟は本所の一膳飯屋の女中お新の子で、辰三という男が家に出入りするようになり、2人の世話もろくにしない状態になっているのだという。
かわせみの面々は男が子供を折檻しているのではないかと心配するが、他人の家のことでもあり、なかなか手が出せない。

意外に現代的なテーマだけど、後味はちょっと重いかな。

「白鷺城の月」

東吾は播州(兵庫県)姫路に足止めを食っていた。
軍艦操練所の仕事で姫路藩の西洋型帆船の建造に関わることになり、同僚の谷川彦之進とともに監督にあたっていた。ところが練習航海の準備中に船のマストが折れ、彦之進ら数人が怪我を負ってしまう。東吾は彦之進の回復を待つが、心配したるい、麻生宗太郎、長寿庵の長助らが見舞いにやってくる。

東吾が世話になっている青木家の長男平太郎は東吾の門人であり、その妹幸代から相談を受ける。彼女は隣家の久松家に嫁に行っているのだが、夫が城詰めで留守の折、家に見知らぬ気配を感じるのだという。

白鷺(しらさぎ)城というのは姫路城の別称。風光明媚な城下町、だがそこで起こる事件はなかなかドロドロとしていた。かわせみのメンバーが登場するとどこでもいつものノリになるのがおかしい。

「蓑虫の唄」

江戸ではこのところ火事が相次いでおり、先日日本橋因幡町の大火の際に功のあった火消しの伊佐三と定吉というものが町奉行所から褒章を受けた。火消しは本職として鳶をしていることが多く、「かわせみ」の近所の堀の修繕として定吉が監督に現れる。定吉は人足とともに泥まみれになるなど、よく働いていたが蓑虫を見て「俺と同じですよ」とつぶやくなどどこか屈託があった。
そんな中2度目の火事が起こる。先の火事で焼け出された因幡屋の仮住まいが火元だった。

けっこう込み入った話になっていろいろとスッキリしない部分もある。
だが火事の際に長寿庵の面々をなんとか助けようとした東吾や源三郎の思いやりはこのシリーズならでは。こういう友達は、なかなか探しても得られない。

(読了日 2007/5/17)







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