藤田 達生 / 秀吉神話をくつがえす
Book秀吉神話をくつがえす (講談社現代新書) | |
藤田 達生
講談社 2007-09-19 おすすめ平均 |
元々歴史ものは好きだったので息抜きに読んでみた。
秀吉については信長の草履とり、墨俣の一夜城、本能寺の変後の中国大返し、関白・太閤になる過程で作られた「日吉丸伝説」など数々の「神話」が語られてきた。ただこれも近年ある程度真偽についても取り沙汰はされてきたとは思うのだが・・・。
この本としての新味は実はそれほどない。
本能寺の変の前に秀吉が光秀に対して織田政権下での主導権を既に握っていた(これだけが光秀の謀反の原因とは言い切れないだろうけれど)ことも、信長や秀吉が室町幕府や朝廷といった既成の権威を倒そうとしたのではなく、積極的に利用しようとしたこともある意味常識だ。
僕が知らなかった部分としては畿内・中央の実権を握った後の九州攻略(対島津氏)に毛利氏を主力として考えていたとの説とか、関東、東北の大名に発した停戦令の部分とか、そういった箇所だ。これはうーん、なるほどね、という感じ。
後半になって出てくる秀吉神話と近代・現代を結びつけようという論調はかなり無理があり、減点対象。
(読了日 2007/11/14)
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