小判商人 (文春文庫 ひ 1-108 御宿かわせみ 33)
小判商人 (文春文庫 ひ 1-108 御宿かわせみ 33) 平岩 弓枝

文藝春秋 2008-04-10
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4月に「御宿かわせみ」の文庫の新刊が出てたので読んでみました。
しばらく前に読み終わっていたんですが、感想が遅れました。

第33巻。7篇を収録。

「明石玉のかんざし」

明石玉というのは鶏卵からできる素材からできた錬玉で高価であった珊瑚にかわるものとしてもてはやされたという。「かわせみ」に泊まった明石玉の職人夫婦。夫は日本橋の珊瑚を商う商家で生まれたが母親の再縁をきっかけにぐれて、家を飛び出したのだという。その後上方明石で行き倒れていたところを拾われたのが明石玉の職人だったという。今回は十数年ぶりに母親を訪ねて江戸へ来たのだが・・・。

書いてみると陳腐なようだけど、言葉遊びの面から書き出しから末尾までむだのなく切れのいい一品。

「小判商人」

長寿庵の近所の質屋に強盗が入った。盗まれた中に洋銀(アメリカで作られたメキシコ・ドルラル)があったことから。かつて「初春弁才船」中の「メキシコ銀貨」という話で麻太郎と源太郎の前に現れ、立ち消えになっていた闇の「小判商人」。海外と日本での金銀の交換比率の違いから、日本の金が海外に流出することがあとを絶たなかった。そこに暗躍した彼らの姿がいよいよ前面に。

という感じですごく大掛かり、かつスリリングな話になるのかと思ってたのですが。
確かに立ち回りは大掛かり。とはいえ、麻太郎くんと源太郎くんがあぶない目に。
保護者(いったい何人いるんだか(笑))としては黙っていられませんよ、
と幕方までも動き出す、という筋書きはなんともはや。

途中までは非常にテンポよかっただけに、残念。

久々に読んだだけに
以前の伏線や設定を思い出すのにちょっと時間がかかりました。
あいかわらず面白い、のは確か。
明治篇も気になるところです。

(読了日 2008/05/26)







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