「トーマス・クラウン・アフェアー」(1999年)をビデオで見てみた。
雨の日の退屈しのぎに。

スティーヴ・マックィーンとフェイ・ダナウェイの名作「華麗なる賭け」(1968年)のリメイク作。
今作はピアース・ブロスナンが製作にも関わり主演、相手役はレネ・ロッソ。

スティーヴ・マックィーンとフェイ・ダナウェイの名作「華麗なる賭け」(1968年)のリメイク作。
今作はピアース・ブロスナンが製作にも関わり主演、相手役はレネ・ロッソ。

トーマス・クラウン(ブロスナン)は金融会社の経営者で金には不自由していないプレイボーイ。
美術マニアでもある彼はニューヨーク、マンハッタンの某美術館からモネの絵を盗もうと試みる。
美術館の職員に変装した部下に潜入させ、ヘリも用意するなど大掛かりな「仕掛け」を施すが、
それは全て陽動作戦。警察が右往左往するうちにほんの1分ほどの早業で自ら目的の絵を贋作とすりかえてしまう。
だがその彼の意図を「女のカン」でただ一人見破ったのが保険会社の査定員キャサリン(レネ・ロッソ)。
彼女はクラウンに「あなたの犯罪をあばいてみせる」と宣言し、接近していく。

リメイク作ということでそんなには期待してなかったんだけど、けっこう面白かったです。

レネ・ロッソ演じるキャサリンは最初は論が立つし、警察顔負けの活躍を見せるんだけど
クラウンと本当の恋に落ちてから、その「論理」に微妙な影が差してくる。つまり迷うんですね。
ちょっとした「一言」でクラウンの側にググーっと寄ってしまう。
このあたりはフェイ・ダナウェイの時もそうだったんですが。フェイ・ダナウェイはこの作品にも
クラウンにインタビューする老ジャーナリストの役でゲスト出演しています。

ブロスナンの「にやけ面」をどう思うかで評価が分かれそうですね。
まぁスティーヴ・マックィーンと比べるのは酷なので、「ひたすらに美(美術品にしても女性にしても)
を追求しながら、酷薄な面もある。だが最後には女の情を信じている」男を無難に演じてるってことでなんとか及第点でしょうか。

前作ではフェイ・ダナウェイとマックィーンがチェスのゲームをしてるシーンがとてもエロティックでいいんだけど、
その部分はドレスコード(服装規定)が「黒と白」になってるダンス・パーティに変わっている。
凝っています。ここで出てくるラテン・ジャズ・バンドはチコ・オファリル楽団でしてホンモノです。

クラウンの金にあかせた優雅な趣味も見もの。
まずなんといっても彼の豪邸に飾られてる絵の数々。フェイク(贋作)だとしてもすごすぎ。
なんせ「モネ」のかわりに燃やしてしまう絵が「ルノアール」で「本物かどうかはわからないけどね」(少しは気にしろよ!)といった調子なのだから。
それにヨット・レースもやってるし、前作でも出てきた自家用機はプロペラ機からセスナに変わってる。
キャサリンがボクシングをやっていたというのはレネ・ロッソの見事な肉体美から思いついたアイデアなのかな。

前作ではノエル・ハリソンが歌っていたミシェル・ルグランの名曲”The Windmills Of Your Mind”は劇中ではジャズ・ヴァージョンが流れ、エンディングではスティングが歌う。







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