借りていた「メメント」を観終わった。
記憶障害の男が妻を殺した犯人を追うために苦闘するという異色のサスペンス。
監督のクリストファー・ノーランはこの作品でアカデミー脚本賞をとるなど一躍有名に。

以下一部ネタばれあり。

レナード(ガイ・ピアーズ)は妻が殺されたのをきっかけに記憶障害にかかってしまう。
その妻が殺された瞬間以降の記憶が眠るのと同時に全てが消えてしまう。
直前の記憶がスッポリ抜ける、こういう症状を「前向性健忘」というらしい。
こうなると毎朝まったく新しく生まれ変わっているようなもので、「自分が誰か、ここはどこか、
今なにをしようとしているか」などとごく基本的なことまで確認しなければいけない。
大変な手間だ。
彼はこのために「メモ(英語ではnote)」をとりまくるのだが、通常のメモでは「なくしてしまう」
と言って自分の身体に「やるべきこと」をタトゥーとして彫りこみ始める・・・。

レナードの状態は相当に特異だ。自分の記憶がない、なにをしたのかを覚えていない、
ということは前後のつじつまが合わず、見当違いのことを周囲の人に
言い続けるわけで、当然こんなことをしていれば友達も失う。
なによりも「自分」というものが信じられなくなる。
神経症そのものという場面が続出する。

なにが本当なのかわからないということでは登場人物が本当はどういう人物なのかも
レナードの記憶の不安定性から「彼に対してはこう言った方がいいと、相手が思って
演じた嘘」なのか、「レナードの記憶の中で捏造された彼の中だけの『現実』」
なのかがわかりづらい。
謎の女ナタリー(キャリー=アン・モス)や協力者テディ(ジョー・パントリアーノ)の
行動、正体もこうしたことから二転三転し、よくわからない。
二人とも毎朝「記憶の確認」に付き合わされて「疲れてしまった」という
説明も可能だけど。

一度観ただけではよくわからない(笑)。







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