蛇にピアス
金原 ひとみ

発売日 2003/12
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今年の芥川賞は10代の作家2人が受賞ということで、一種アイドル的な持ち上げられ方をしてる受賞者のお二人ですが、まぁ作品は読んでみないとわからないので一応別、ということで。

で、「蛇にピアス」ですが、普通の口語、会話の感じをうまく文章にできていて、それでいて下品にはならないギリギリの感じで抑えられているし、年配の人でもなんとか読めるんじゃないでしょうか。少なくとも顔文字は出てこないです。

タトゥーやピアスが若い人たちの間で一定の理解ができてきたけど、この話はそんな「身体改造」にはまった人たちの世界。なにしろスプリットタン(舌にうめこむピアス)が出てきますからね。
その「痛み」と共存しようという感覚、これを「わかる、わかる~」と
感じる層とそう感じない層では当然受け止め方も違うんだとは思うけれど。

主人公のルイはボーイフレンドのアマの影響でタトゥー、そしてスプリットタンを身体に刻む。アマの無軌道な生き方に「あんた、やばいよ~」
とツッコミを入れながらもルイ自身の身の振り方も相当にあぶなっかしい。
彫り師のシバさんとも微妙な関係だが、ある日アマが・・・。

まぁ一気に読める作品でしたが。
どうもこの作品に限らず、最近のには「結論」を最後に打ち出さない作品が多いような。
問題がそのままうやむやになって、そこはかとない不安感や、かすかな希望が仄見えるという。
この空気感になじめない人はポーンと投げ出された感じでなんだか気持ち悪い。

こういうのもありなんだけど、こういうのばかりになるとちょっと困るかなぁ、と思うのでした。
単なる個人的な好みですけど。

(読了日 : 2004/2/26 )







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