Black Pepper’s Blog

シネセゾン渋谷でガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」を観ました。

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監督・脚本・編集：ガス・ヴァン・サント
出演：ジョン・ロビンソン/アレックス・フロスト/
／エリック・デューレン／イライアス・マッコネル
／ティモシー・ボトムス

2003年のカンヌ国際映画祭で、史上初のパルムドール＆監督賞のＷ受賞を果たした作品。
キャストのほとんどが演技経験のない学生。
オレゴン州ポートランド郊外にある、ごくありふれた高校。
それをリアルに写し取りたかったのだろうが、その映像は
静かながら、饒舌。観終わった後に「映画を観たな～」という強烈な印象を残す。

一人の視点ではなく、「ある一日」を10数人の視点から追う。
そのためある場面では「背景」に隠れていた人物が「そのときは
こうしていた、こう感じていた」ということがカットバックを多用して
繰り返し説明される。
「ここで？」と思うようなところもたくさんあるので
一種隠れ探し的にも楽しめる。

主な顔ぶれを挙げると。
父に車で送ってもらうが途中で彼が酔っていることに気づき、運転を変わる少年ジョン。そのため遅刻し校長に叱責を受ける。
中庭でパンキッシュなカップルを撮ろうとする写真部のイーライ。
この「イケテナイ」二人が主人公的存在のようだ。

自意識過剰で自分の殻に閉じこもりがちな図書部員ミシェル。
友達や彼氏のことで盛り上がり、いつもつるんでいる三人娘。
モテモテのアメフト部員ネイサンとその彼女キャリー。
いじめられっ子のアレックスは友達のエリックとある荷物を待っている。
ジョンのことを気にかけているアケイディアは同性・異性愛会というサークルのメンバー。一見軽めのアメフト部員ベニーもこの会に属している。

誰でも「学生時代にいたよな～、こういうヤツ」というキャラが一人は見つかるんじゃないかと思う。
そんな「リアルな日常」をガス・ヴァン・サントは淡々と撮っていく。
もちろんその「絵造り」はシンプルながら手の込んだものだし、
「なぜこの一日が繰り返されるか」ということは
後半衝撃的な形で明かされる。

ネタばれは避けますが、観た後にズシンと残るもののある映画でした。
今更ながらガス・ヴァン・サントやるな、です。

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