「ピンポン」全5巻

ピンポン (1)
ピンポン (5)

「ピンポン」(全5巻)
(松本大洋 / 小学館 /  ISBN: 4091847366 (第1巻) / (読了日 2004/4/3)

「ピンポン」を読んだことがなかった。
「なんだよそれ」って感じだけど。
「ビッグコミック・スピリッツ」をちょうど連載時(1996-1997年)読んでいなかったということなんだけど。

というわけでこのマンガに関してはあの窪塚くんの映画の方を先に観た。
そのとき書いた感想が残っているのでちょっと載せてみよう。恥ずかしいけど(笑)。

ピンポン ― 2枚組DTS特別版 (初回生産限定版)

===
(2003年3月5日)

「ピンポン」がやっと借りられたのでこの日観てみました。
うーんパワフルだなぁ。
ペコは「なんにも考えてないんじゃないか」ってインパクトがあるし、あ、髪型も
「オカッパ」としか言いようがないし。
スマイルは本当に卓球の才能があるんだけど、感情の表すのがすごく苦手で 傍から見たら
「クール」なのかもしれないけど、本人にしてみたらシンドイ部分もあるんじゃないかと思う。
だから二人はつるんでるのかも。いいコンビ。
それにしてもライバル校の連中もアクが強いのばっかだなぁ。中国人エリートもすごいけど、スキンヘッドのあの二人もまた強烈。竹中直人もまたいかにもな役やってるし。
松本大洋の原作マンガにはけっこう忠実だということだけど、これなら原作もやっぱ面白そうですね。

===

まぁ原作を読んでないからこその感想ですよね。
今回原作を読んでこの印象はひっくり返りました。

いわく「原作の方がおもしれ~」
やっぱりマンガにはマンガでしか表せない世界があるんですね。

こちらでまず違うのはスマイルとペコとの関係。
ガリ勉で友達のいなかったスマイルに「卓球」の面白さを教えてくれた
ペコはかれにとっては「ヒーロー」だった。
だからこそヘンにかっこつけて努力をやめてしまったペコに対し、
スマイルはクールな中にもいらだちを感じる。
片瀬高校の卓球部顧問小泉(映画では竹中直人)の特訓、
「やり抜く」ことでメキメキ力をつけていったスマイルが
インハイの県大会で強豪相手に「別次元」の闘いをするに至る。
スマイルの才能の全面開花。
ここまでは映画でも描いていたんだけど。

マンガが異なるのはペコが「ここでは終わらない」ことだ。
3ヶ月練習をサボり、身体にも余計な脂肪がつきまくっていたペコは
田村のオババの「地獄の特訓」を受け「蘇る」。

「ヒーローの再来」だ。
これはスマイルにとってもうれしいことだったんじゃないかと思う。

ドラゴン、チャイナ、佐久間ら個性あふれるライバル達の魅力。
映画でもそれなりに出ていたけれど、やっぱりルックスだけじゃなくて
彼らの「熱さ」(なんで卓球にそこまでむきになるのか、って
最初は思ってたんだけどね(笑))が直で伝わってくるのは
このマンガの「試合シーン」の迫力が尋常じゃないからだ。

描線がゆがむほどの玉の「勢い」。
スポ根としてはちょっと変わった独特のテイストだけど、
「卓球好きなんだ~」という
彼らの気持ちは痛いほどに伝わってくる。

ドラゴンやチャイナの「勝つことを宿命づけられた男」の持つ
諦観とか優しさとか(ただし、顔が怖すぎるけど高校生です(笑))、
ほかにも見所はたくさんありましたが。

なにはともあれ、すごいマンガでしたね。

「鉄の味がする・・・」
ザラっとした苦味もあるマンガでした。

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(読了日 2004/4/3)







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