Black Pepper’s Blog

恵比寿ガーデンシネマでニコラス・ケイジの初監督作品「SONNY」を観ました。

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製作・監督：ニコラス・ケイジ
出演：
ジェームズ・フランコ
ミーナ・スヴァーリ
ブレンダ・ブレッシン
ハリー・ディーン・スタントン

（あらすじ　goo映画）
軍を除隊し、ニューオリンズの実家に戻ったソニー。娼館を営む母ジュエルは、稼ぎ頭の男娼だった息子の帰りを心待ちにしていた。母にみっちりと技を仕込まれたソニーは、すでに伝説の男娼だったのだ。母はさっそく復帰を迫るが、ソニーは堅気になる決心を固めていた。拒絶された母は激怒し、泣きじゃくる。だが二人の古い友人ヘンリーだけは、ソニーを温かく励ます。やがてソニーは母の元で働く新人の娼婦・キャロルと愛を重ねるようになり…。

人は環境に育てられる動物だね、といえばいいのか。
ソニーは堅気になろうとするが（なにになろうか分からずにとりあえず知り合いの父の本屋にすがろうとしているところが泣かせる）、つきあおうとした「堅気」の女が薬物中毒だったことに絶望し、昔の客からのひっきりなしの誘いと母の涙に男娼生活へと簡単に戻ってしまう。
だがそこで切り売りされているのは彼の身体と、「人間としての尊厳」だった。
彼のストレスは極度に増し、それとともに突発的な暴力を抑えられなくなっていった。

キャロルは客に抱かれた後、それを浄化するかのようにソニーにすがる。
出口のない二人の関係は、ついにキャロルが
「このうちを出なきゃダメね。人は変われるはずよ。
少なくとも私はやってみるわ」
というところまでくる。

ソニーは笑う。
その瞳は空虚だ。
彼は「変われる」のか。

すごくアート寄りな作品だ。
娼館や衣装の色調は考え抜かれたものだし、
ソニー役のジェームズ・フランコはルックスも爽やか系だし、彼の鍛え抜かれたカラダがたっぷり拝めるのでその辺も売りか。
物語は陰惨なものだが、画面的にはあくまで美しい。
そしてあくまで静かだ。

こういう作品を第1作にもってきてしまったということでニコラス・ケイジの今後の監督・製作にも期待と不安が集まるわけだが。
ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ジョニー・デップらうまいぐあいに成功してる先達もいるのでがんばって欲しいところではある。ニコラス・ケイジがコッポラの甥だというのは映画ファンなら知っている話だが、さてソフィア・コッポラのように監督としてもイケるのか、注目ですね。

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