ホームへ戻りますシネマトップへ updated(first) 04/09/2003 last updated


ジョー・ブラックをよろしく (1998/アメリカ)
監督  : マーティン・ブレスト
出演  : ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォーラニ、マルシア・ゲイ・ハーデン、ジェフリー・タンバー、ジェイク・ウェバー、他

会社社長ビル・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)は「死神」に死期が近づいてきたことを知らされる。死神はある青年(ブラッド・ピット)の姿を借りてパリッシュの前に現れ、寿命を延ばす代わりに自分に人間界の楽しみを味合わせろ、と要求する。「死神」はパリッシュの豪邸に入り込むが、有能な会社の若手役員ドリュー(ジェイク・ウェバー)に名前を尋ねられ、パリッシュに「ジョー・ブラック」という仮の名をつけられる。
そこで再会したパリッシュの次女スーザン(クレア・フォーラニ)はジョーが身体を奪った当の青年がこころひかれた相手だった。二人の出会いはコーヒー・ショップ。お互い気になるが別れたあと(ここで二人が振り返ると相手はちょうどこちらを見ていない、というシークエンスがあり、ベタだけどかわいい)、青年は車に轢かれあっけなく死んでしまう。だがスーザンはそのことを知らない。

ブラッド・ピット演ずるジョーは相当にとぼけた「死神」だ。人間世界の常識を持っておらず、好奇心だけは旺盛。なんだかものを食べているシーンが妙に多い。プールサイドでピーナッツ・バターを食べ、重役会議の席上でクッキーをパクつく。やんちゃな子供という感じでありえないんだけど、なんともチャーミング。そのままの調子でスーザンに甘い言葉をささやき続ける。スーザンは外科医ということでインテリ女性なんだけど、コーヒー・ショップのときから彼のことは気になっていたわけで、迷いながらも(この迷ってるときの眉間がなんだか僕は好き)彼を愛するようになる。それにしてもジョーが時々異常なまでに無表情になるのは感情というものが元々ない死神だからなんだろうが、なんとも空虚な表情になるものだ。でもこの二人は美男美女カップルでなんとも絵になるなぁ。

脇役の演技もなかなかよくて、パリッシュの食卓を囲むメンバー、長女のアリスン(マルシア・ゲイ・ハーデン)、その婿クインス(ジェフリー・タンバー)、それにドリューと誰もが魅力的だ。常識人ドリューが「死神」のペースにまきこまれたパリッシュに振り回されて、次第に追い詰められていくのがなんだか気の毒。

ブラッド・ピットの魅力をうまく生かしたファンタジックなラブ・ストーリー。3時間弱と非常に長いが彼のファンになら楽しめるだろう。


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