|
|
「スクリーマーズ」(1996年、アメリカ/カナダ/日本)
監督: クリスチャン・デュゲイ
出演: ピーター・ウェラー、ロイ・デュプイ、ジェニファー・ルービン、他。
西暦2064年、惑星シリウスB6に派遣されたジョー・ヘンリクソン(ピーター・ウェラー)ら鉱石採掘隊の面々。この惑星では「スクリーマー」(変種タイプ1)と呼ばれる機械生命体との戦いが続いていた。地中に棲み、人間を襲ってくるこの機械は虫に似た形をしているが、どこからやってくるのか、また正体など一切不明。
休戦協定が結ばれ、つかの間の平和に酔いしれる面々。だが廃墟で出会った謎の少年デイヴィッドと出合った頃から、隊員たちは一人、また一人と殺され始める。デイヴィッドは人間ではなくかわいい外見で油断させて容赦なく人を殺戮する殺人機械「変種タイプ2」だったのだ。
原作では地球上であった設定は惑星シリウスでの鉱石採掘という形に改められ、また今では時代遅れの「米ソ」という概念も使っていない。ただそのために何のために戦っているのかがわかりづらい。また原作の後半ではヘンドリックス(映画ではヘンリクソン)はソ連兵と同行するが、ここは隊員たちとに改められ、また女性隊員とヘンリクソンとのロマンス要素も加えられている。「変種第2号」は誰だかわからないわけで、こうすることで「愛するものが『変種』かもしれない恐怖」を狙っているのだろう。またアクションはそれなりに見せるがセット、衣装その他が低予算のためかお粗末で、特に原作では大迫力の「デイヴィッドの集団(全く同じ姿の子供が隊員たちを襲ってくる)」の場面がデイヴイッド一つ一つのCG処理が粗雑で冷めてしまう。B級SF作品と言ってしまって構わないと思うが、「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」など超大作がエンターテイメント性を追求してディックの原作からはかけ離れた姿になってしまっている(それはそれで面白いのだが)ことを考えると原作ファン向けの内容と言えるかもしれない。
脚色は「トータル・リコール」も手がけたダン・オバノン。
|