ホームへ戻ります ブックトップへ updated(first) 01/15/2003 last updated

特集: フィリップ・K・ディック
     映画と原作を徹底比較! 「ブレードランナー」から「マイノリティ・リポート」まで

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(7)終わりに  ディックに関するよしなしごと


フィリップ・K・ディック特集でした。
この特集に取り組んだのは昨年の夏ごろ「マイノリティ・リポート」が映画化されると知ったことと、ネット上でのフィリップ・K・ディックに関する様々なHPを拝見して、「ああ僕もやってみたい」と思ったことがきっかけでした。多くの先行作品がある中で少しでも特色が出ているといいのですが。また僕はディックの短篇作品を偏愛していて、長編作品についてはほんの数えるほどしか読んでいません。そのあたりでディックの大ファンである「モグの箱」のモグさんに素敵な文章を寄せていただきました。「暗闇のスキャナー」は僕も大好きな作品です。

他に映画化作品としては『戦争が終り、世界の終りが始まった』を原作にした『バルジョーでいこう!』(1992年/フランス/ジェローム・ポワヴァン監督)があるそうです。
また短篇「ジェイムス・P・クロウ」も映画化の話が進んでいるそうです。

ディックの短篇集では「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック」という4分冊の本が最も出来がいいです。現在ではタイトルが変わって早川書房から出ています。その中でも今回とりあげた「変種第2号」や「にせもの」が収録されている「パーキー・パットの日々」はもっともとっつきやすいのではないでしょうか。

また「マイノリティ・リポート」や「追憶売ります」が入っている「マイノリティ・リポート」(早川書房/ハヤカワ文庫SF)も映画からディックに興味を持たれた方にはいいと思います。

もちろん「ブレードランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」もお勧めです。

このあたりは形而学的なテーマだけでなくストーリーとしても楽しめるものです。

最後に著作リストをつけましたのでご参考までに。




Laboem01

P・K・ディック著作リスト



日本語タイトル/原書発表年/訳者/出版社(日本)/価格/日本版出版年/ の順です
e-hon 全国書店ネットワーク、また文庫本巻末の著作リストを元にしています。
○がついている本は特にお勧めの本です。
間違っている点があったらお教え下さい。

長篇(SF)

○ 「偶然世界」(1955)/小尾芙佐/訳 早川書房 660 1977年  
「ジョーンズの世界」(1956)/白石朗/訳 東京創元社 534 1990年11月
「虚空の眼」(1957)/大滝啓裕/訳 東京創元社 680 1992年
「宇宙の操り人形」(1957)/仁賀克雄/訳 朝日ソノラマ 470 1984年6月   
「時は乱れて」(1959)/山田和子/訳 サンリオ 620 1987年1月   
○ 「高い城の男 」(1962)/川口正吉/訳 早川書房 360 1965年   
○ 「タイタンのゲーム・プレーヤー」(1963)/大森望/訳 東京創元社 780 1990年3月
○ 「火星のタイム・スリップ」(1964)/小尾芙佐/訳 早川書房 680 1980年6月  
「シミュラクラ」(1964)/汀一弘/訳 サンリオ 540 1986年5月   
「最後から二番目の真実 」(1964)/山崎義大/訳 サンリオ 520 1984年4月   
「アルファ系衛星の氏族たち」(1964)/友枝康子/訳 サンリオ 540 1986年12月   
○ 「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 」(1965)/浅倉久志/訳 早川書房 1,000 1978年   
「ブラッドマネー博士 」(1965)/阿部重夫/訳 阿部啓子/訳 サンリオ 680 1987年5月   
「去年を待ちながら」(1966)/寺地五一/訳 高木直二/訳 東京創元社 680 1989年4月
「テレポートされざる者」(1966)/鈴木聡/訳 サンリオ 540 1985年8月   
「ライズ民間警察機構 テレポートされざる者・完全版 」(1966)/森下弓子/訳 東京創元社 720 1998年1月  
○ 「逆まわりの世界」(1967)/小尾芙佐/訳 早川書房 505 1983年8月
「ザップ・ガン」(1967)/大森望/訳 東京創元社 583 1989年6月  
○ 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968)/浅倉久志/訳 早川書房 330 1969年   
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968) 講談社 1,165 1995年12月   
○ 「ユービック」(1969)/浅倉久志/訳 早川書房 680 1978年
「銀河の壷直し」(1969)/汀一弘/訳 サンリオ 480 1983年5月   
「死の迷路」(1970)/山形浩生/訳 東京創元社 540 1989年12月   
「フロリクス8から来た友人」(1970)/大森望/訳 東京創元社 660 1992年1月
「あなたを合成します」(1972)/阿部重夫/訳 サンリオ 600 1985年10月
「あなたをつくります 」(1972、同じもの)/佐藤竜雄/訳 東京創元社 920 2002年3月   
○ 「流れよ我が涙、と警官は言った」(1974)/友枝康子/訳 サンリオ 460 1981年12月   
「怒りの神」(1976)/ロジャー・ゼラズニイ/著 仁賀克雄/訳 サンリオ 480 1982年9月   
「暗闇のスキャナー」(1977)/飯田隆昭/訳 サンリオ 540 1980年7月   
○「暗闇のスキャナー」(1977)/山形浩生/訳 東京創元社 800 1991年11月
○ 「ヴァリス」(1981)/大滝啓裕/訳 サンリオ 580 1982年5月   
「ヴァリス」(1981)/大滝啓裕/訳 東京創元社 800 1990年6月
○ 「聖なる侵入」(1981)/大滝啓裕/訳 東京創元社 880 1990年12月
「アルベマス」(1985)/大滝啓裕/訳 東京創元社 709 1995年4月
「ニックとグリマング」(1988)/菊池誠/訳 筑摩書房 1,553 1991年8月

長篇(ノンSF)
○ 「戦争が終り、世界の終りが始まった」(1975)/飯田隆昭/訳 晶文社 1,922 1985年12月
○ 「ティモシー・アーチャーの転生」(1982)/大滝啓裕/訳 東京創元社 700 1997年2月
「小さな場所で大騒ぎ」(1985)/飯田隆昭/訳 晶文社 2,000 1986年12月   
「メアリと巨人」(1987)/菊池誠/訳 細美遥子/訳 筑摩書房 2,427 1992年12月   

短編集(邦訳があるもの)
「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック 1」/ジョン・ブラナー/編 浅倉久志/〔ほか〕訳 サンリオ 580 1983年11月   
「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック 2」/同
「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック 3 」/マーク・ハースト/編 浅倉久志/〔ほか〕訳 サンリオ 520 1984年12月   
「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック 4」/マーク・ハースト/編 浅倉久志/〔ほか〕訳 サンリオ 460 1985年4月   

この4冊は現在この形で入手できる
○ 「パーキー・パットの日々 ディック傑作集1」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 720 1991年1月  
(「変種第二号」「にせもの」を収録)
「時間飛行士へのささやかな贈物 ディック傑作集2」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 680 1991年1月
「ゴールデン・マン ディック傑作集3」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 583 1992年4月  
「まだ人間じゃない ディック傑作集4」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 680 1992年4月

(以下、日本で独自に編集されたもの)
「地図にない町 ディック幻想短篇集」/仁賀克雄/編・訳 早川書房 660 1978年
「人間狩り」/仁賀克雄/訳 集英社 1982年
「顔のない博物館」/仁賀克雄/訳 北宋社 1,200 1983年12月   
「ウォー・ゲーム ファンタジー&SF短編集」/仁賀克雄/訳 朝日ソノラマ 480 1985年2月   
「悪夢機械」/浅倉久志/編訳 新潮社 544 1987年12月   
「模造記憶」/浅倉久志/〔ほか〕訳 新潮社 466 1989年7月   
「人間狩り フィリップ・K・ディック短篇集」/仁賀克雄/訳 筑摩書房 796 1991年3月   
「ウォー・ゲーム フィリップ・K・ディック短篇集 2 」/仁賀克雄/訳 筑摩書房 641 1992年9月   
「ウォー・ヴェテラン ディック中短篇集」/仁賀克雄/編訳 社会思想社 505 1992年12月  
「永久戦争」/浅倉久志/訳 新潮社 544 1993年6月   
○ 「マイノリティ・リポート」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 640 1999年6月
(「マイノリティ・リポート」「追憶売ります」収録)
「シビュラの目」/浅倉久志/〔ほか〕訳 早川書房 740 2000年6月  


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