updated(first) | 03/04/2003 | last updated |
特集: 生涯五指には入るこの映画!Intoroduction(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23) (24) (25) (26) (27) |
(14) | Black Pepper のレビュー | |
レオン・完全版 (1996/フランス) | ||
監督 : | リュック・ベッソン | |
出演 : | ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン、ダニー・アイエロ、他 | |
(ストーリー) NY、リトル・イタリー。レオン(ジャン・レノ)は寡黙に仕事をこなす「掃除屋」(殺し屋)だった。生活はシンプルで毎日の腹筋運動と牛乳を飲む、それに育てている観葉植物の植木鉢を朝晩陽に当てるために出し入れするほかになにもないような、そんな男だった。 同じアパートに住む12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)と話をするようになる。マチルダの父は裏組織の「運び屋」をしていて、マチルダは彼や義母や姉とはうまくいっていず、8歳の弟だけが心を許せる相手だった。 ある日マチルダが買い物に行っている間に父が麻薬と金を持ち逃げしたんではと疑われ、マチルダの家には裏組織の連中がつめかけ、マチルダを残して一家全員を殺してしまう。グループのリーダー、スタン(ゲイリー・オールドマン)は極度に神経質な、自分の思い通りにことが進まないことに耐えられないような凶暴な男だった。8歳の弟も容赦なく殺されてしまう。 マチルダは家には帰れずにそのままレオンの部屋の前で「助けて」と必死でうったえかける。やむを得ず中に入れるレオン。 こうして二人の奇妙な同居生活が始まった。 マチルダは弟のかたきをとるために自分も「掃除屋」になりたいという。 レオンは最初は拒むが、彼女のひたむきさに根負けして「殺しのテクニック」を彼女に教えることになる。 毎日のトレーニング、買い物、遊び、だんだんと二人は「パートナー」になっていった。 それでもホテルでは父子のふりをしなければいけなかったり、レオンに仕事を紹介してくれるイタリアン・レストランのオーナー、トニー(ダニー・アイエロ)も彼女にはいい顔はしない。社会的には認められない二人。だからこそ孤独の中で「彼らだけの時間」は確実に根を下ろしていった。 敵の身元がわかる。スタンは麻薬取締局の責任者で、影で麻薬の取引を牛耳る、極めて危険な男だった。単身彼の元を「ピザの配達」を装って訪ねるマチルダ。逆につかまってしまうが危険を察知したレオンが彼女を救出する。 追い詰められる二人。スタンは武装した特殊部隊にホテルを完全包囲させる。殲滅の構えだ。 レオンはマチルダだけは助けようと彼女をダスト・シュートから逃がそうとする。一緒じゃないといやだと言うマチルダ。 「君は俺に生きる喜びをくれた。大地に根を張って暮らしたい。独りにはしないよ」 これしか、もう言葉はなかった・・・。 (感想 :ネタバレしていますので未見の方はご注意下さい!) ベッソンの旧作「ニキータ」(1990年)でジャン・レノが演じた「掃除屋」のキャラクターを膨らませた設定だそうだ。寡黙で不器用な子供のような男に、「12歳でも女は女」なキュートな少女を組み合わせるというアイデアはジャン・レノとナタリー・ポートマンの魅力もあって大当たりした。 すごくいいセリフがたくさんあるんだけど。 先に挙げた「大地に〜」のセリフはレオンがなぜ観葉植物を大事にしているのかを示す(レオンも植物も「根無し草」)セリフでこの作品ではキーになってますね。これに対応するのがラスト・シーンで学校に戻ったマチルダが植物を埋めてから言うセリフ「これで安心よ。レオン」このシーンはスティングの「Shape Of My Heart」とともに忘れられません。 レオンが教育のない、あまり頭が良くない男だということを示すシーン、セリフも多い。 マチルダが気晴らしに映画俳優、タレントの真似をするシーンでは彼女がマドンナ、オードリー・ヘプバーン、チャップリン、ジーン・ケリーを次々と演じるのに対して、レオンは全然うまくもないジョン・ウェインを大真面目にやることしかできない。それに付き合ってあげられるマチルダはレオンよりも精神的にははるかに「大人」だ。 それから二人のシーンではレオンがマチルダに言いたいことも言えなくて "I need a...drink"(ミルクをくれないか)としか言えないシーンもかわいい。 レオンは金勘定が自分では出来ないで仕事をまわしてくれるトニーに自分の金の管理を任せている。トニーはそれをいいことにレオンの金をどうも自由に使ってしまっているようで、レオンにはそれこそ「小遣い」しか与えない。このことに疑問を感じていないレオンの表情は素朴を通り越して哀れだ。 最初は新聞の字も読めなかったレオンがマチルダに下手な字で伝言を書いたのにはジーンとした。彼女が教えたんですね。 あとレオンのセリフで好きなのは"No Woman,No Kids"(女子供以外誰でも殺す)。このルールを守ってるというのがレオンとスタンの違いなんだけど、あまりにも言い過ぎて「"No Woman,No Kids"と言う男が来ました」と言われてるのには笑ったな。 僕はゲイリー・オールドマン演じる「ブチぎれ捜査官」スタンも好きですね。 特にマチルダをさらうシーンや、終盤特殊部隊の増員を命じる "Everyone!”(「エッブリ、ワン!!!!」と聞こえる)の怒声、 最期のセリフも「なんだこれ?」みたいな調子で"Shit!"だけだとか・・・。 最高! 「完全版」で追加されたシーンは。 マチルダの「殺しのテクニック」は本編ではかわいいものだったけれど、 レオンは彼女に「実戦」も教えてしまう。「まるでボニーとクライドね」というセリフがあったが それを画面で見せてしまう。マチルダがレオンのようにニットの帽子とサングラスをつけてるのがキュートだ。 レオンの「過去」も語られる。19歳のときに好きになった女の子の父親を殺してしまったこと。 これも「人を殺すとな、全てが変わってしまう」というセリフの補足となっている。 追加されたことで二人の関係が親密になっていく過程がよりしっかりと描かれていると思う。 以上、長くなりました。思い入れが強すぎる作品なのでなかなか書けなかったんですが、今日のところはこんな感じです。 |
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