updated(first) | 03/04/2003 | last updated |
特集: 生涯五指には入るこの映画!Intoroduction(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23) (24) (25) (26) (27) |
(20) | 街 さんのレビュー | |
『二十日鼠と人間』 (1992/アメリカ) | ||
監督 : | ゲイリー・シニーズ | |
出演 : | ゲイリー・シニーズ、ジョン・マルコヴィッチ、他 | |
農村地帯を渡り歩く二人。その性格は対照的。しっかり者のゲイリーシニーズと アタマの弱い力持ちのジョンマルコビッチ。いつもマルコビッチが引き起こすトラブルで 前にいた農場を追われ、また新しい農場にたどりつき・・という映画。 アメリカドラマ「大草原の小さな家」を彷彿させる農作業の風景。麦(?)の映像が とってもキレイ。そういう映像美以外にも、二人の友情が温かく優しくそしてせつな い。そして哀しい。 アタマの弱いマルコビッチはシニーズの夢物語がとても好きで、事あるごとにシニー ズに「話してくれ」とねだる。シニーズは「またかよっ!おぃ!」って思いながらも 「ったくしょーがねぇな」って感じでまた話す。その話とは、二人でお金を貯めて農 場を経営する事。苦笑いしながら話す(でも、自身の生きる糧にもなっているので話 し出すと嬉しい)シニーズと、それをとっても嬉しそうに聞くマルコビッチの姿が印 象的。 そしてこの光景がラストにも重大な意味を持ってくる。この結末には賛否両論あるだ ろう。あって当然。これを友情ととるか身勝手ととるか、はたまた地主vs小作人とい う観方をするか、いろいろだろう。ワタクシは「友情」というものに心打たれたが。 特にマルコビッチの演技が秀逸。もう上手すぎる。こういうの(病人とか精神錯乱者 とか)を演じるととってもベタになりがちだけど、本当にアタマが弱そう。「ロスト チルドレン」の大男役にこれくらいの演技力があれば・・ 実は、気は優しく力持ちという素性も滲み出ている。自然に伝わってくる。そしてこ れがラストの感動に繋がるわけだが。 物語の途中でジィさんが飼い犬を処分される。老いぼれて役に立たなくなったその犬 を、新しい子犬を貰えばいいと処分を迫られる(決して嫌がらせでなくあくまでも ジィさんを思ってという感じで)。 ジィさんは頑なに拒んでいたがついに決心し、その処分を任せる。後にジィさん はシニーズに言った。「自分で撃てば良かった。他人に撃たせなければ良かった・・」 この言葉がシニーズの脳裏に残っていたのだと思う。 その後二人並んで歩く後姿のシーン。 夜中に独りで観ていたので、危うく泣きそうになってしまった。アブないアブない。 |
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