とても評判がよくてずっとレンタル待ちだった「ナイロビの蜂」、ようやく観れました

ナイロビの蜂 (2005年 / イギリス)

ナイロビの蜂
ナイロビの蜂 レイフ・ファインズ ジョン・ル・カレ フェルナンド・メイレレス

日活 2006-11-10
売り上げランキング : 1642

おすすめ平均 star
star物語的には不満だが
star優等生的作品
star二回見ました

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監督: フェルナンド・メイレレス
出演: レイフ・ファインズ
レイチェル・ワイズ
ダニー・ヒューストン
ユベール・クンデ
ビル・ナイ
ピート・ポスルスウェイト
ほか

(あらすじ goo映画 )
それは、しばしの別れのはずだった。英国外務省一等書記官のジャスティンは、ナイロビの空港からロキへ旅立つ妻テッサを見送った。「行ってくるわ」「じゃ2日後に」それが妻と交わす最後の会話になるとも知らずに…。ジャスティンに事件を報せたのは、高等弁務官事務所所長で、友人でもあるサンディだった。テッサは車で出かけたトゥルカナ湖の南端で殺された。彼女は黒人医師アーノルドと共に、スラムの医療施設を改善する救援活動に励んでいた。今回もその一環のはずだったが、同行したアーノルドは行方不明、警察はよくある殺人事件として事件を処理しようとする…。

原作は冒険小説の巨匠ジョン・ル・カレの最高傑作「ナイロビの蜂」。妻の死に隠された世界的陰謀を追い、雄大なアフリカの大地を巡る主人公の心の旅路を、フェルナンド・メイレレス監督は圧倒的な映像美で描き出す。

なんというかズシーンときますね。
ただの恋愛映画でもないし、政治的なプロパガンダでもない。

当初レイチェル・ワイズ演ずる妻のテッサの人道活動ひいては政治的な活動に、距離をおいて冷静な意見を述べるレイフ・ファインズ=ジャスティンはある意味ごく普通の人だ。なにしろイギリスの外交官でもあるし、処世の上でも現実的にも不要に現地の「人道問題」に深入りしないのは当然のことだからだ。

ただテッサはそんな彼には言えない秘密をたくさん持ったまま死んでしまう。
夫としては過去にケリをつけるためにも彼女の中の「真実」を追求せざるを得ない。
そこで現れるのは彼女と行動をともにしていた男への疑念と、国際的製薬会社が進めていた新薬の治験問題、彼女がその問題にどこまで深く入っていたか、という謎の数々だった。

テッサのキャラ造形は多少無理がある。
単なる正義感で突き進むには危険な領域にまで入っているし、
その動機という意味では説得力に乏しい。
ただレイチェル・ワイズはとても美しく、その彼女を失った夫が
常識的な、彼の世界では推し量れなかった世界観にやがてふみこんでいくというのはなかなかだ。
とても悲しいけど、これは「愛」の物語でもあるのだ。

人間の命には軽重はないはず。
そんな単純な願望がかなわないこともある。
シビアな現実を思わせる、ヒリリとした場面もある。

アフリカの美しい自然と極限の貧困、死を描いたということでは「アラビアのロレンス」や「シェルタリング・スカイ」を感じさせる部分もあるけれど、
ヒロインそれに夫の確かな意思と決意を感じられる今作はより力強く、印象深い。







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      ■監督 フェルナンド・メイレレス■脚本 ジェフリー・ケイン■原作 ジョン・ル・カレ(「ナイロビの蜂」)■キャスト レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ダニー・ヒューストン、ピート・ポスルスウェイト、ユベール・クンデ□オフィシャルサイト  『ナイロビの蜂』 それは、しばしの別れのはずだった。英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は�…

      トラックバック by 京の昼寝〜♪ — 2007/2/19 月曜日 @ 12:05

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      室内に居たので日中がどうだったのかは知りませんが、
      …昨日は完全に春{/kaeru_fine/}だったのに。
      三寒四温でしたっけ、この季節に使う言葉って(?)

      今、私は仕事で新しい機械(&ソフトウェア)の操作を学�…

      トラックバック by ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画 — 2007/3/5 月曜日 @ 23:36


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