「アビエイター」の前評判はけっこうよかった。
それにスコセッシもディカプリオも好きだ。
ということでこの映画は「オモシロイんだろう」って気満々で観に行った。

*ハワード・ヒューズの関連本について追記しています。(2005/4/5)

アビエイター (2004年 / アメリカ)

aviator01.jpg

写真クリックで公式サイトへ

監督 : マーティン・スコセッシ
出演 :
レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ブランシェット
ケイト・ベッキンセール
ジュード・ロウ
アレック・ボールドウィン
イアン・ホルム
アラン・アルダ

(あらすじ goo映画 )
若き富豪ハワード・ヒューズの夢は、世界的映画監督と航空家。1930年、莫大な予算をつぎ込んだ映画『地獄の天使』を成功させたハワードは、航空会社を買収し、ライバル社パンナムとの探りあいのなか、軍飛行艇ハーキュリーズの開発に乗り出す。1946年、テスト飛行中に墜落したハワードは、瀕死の重傷を負ってしまう。空軍からは、戦争の終結を理由にハーキュリーズの契約を取り消されたうえ、軍用資金横領の疑いで公聴会に出席することになるが…。

かなり期待はしてたんだけど。

ありゃーこりゃやっちゃったかな。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」もそうだったんだけど
「凝り性な2人」が組んだことで一般客にはわかりづらい(?)
という作品になってしまったような気が。

というかハワード・ヒューズそのものが理解しづらい人物なんだろうか。
彼については(有名すぎるほど有名な人だけど)
よくは知らないので原作でも読んでみたほうがいいかもね。

ハワードの若い頃はまだわかりやすい。
19歳で父親から巨額の遺産を受け継ぎ、若くして億万長者となった彼は映画業界へ。
ホンモノの飛行機を多数用意するなど「無謀」ともいえる製作が話題となった「地獄の天使」が幸運にも大ヒット。

映画業界ではRKO、航空機業界ではTWA、そしてヒューズ航空社という
2つの事業をはじめ、多くの「夢」に邁進する。

だが「空」への欲望はとどまることを知らず、
彼の財力、さらに命をも削り取るような激しいものだった。

飛行機の速度世界記録、それに世界1周など数々の野心的な試みは
話だけ聞いているとワクワクする。
でも実際に彼がやっているのは段取りが悪かったり、当たり前のことに手を抜いていたり、
人の感情よりも自分の感情優先で行き過ぎちゃってる部分だったり、
さらにドタンバでの感情の不安定さだったり・・・。

かなりコワイ人です。
中盤以降、飛行機での出来事があんまりにもスゴイ展開になっていくので
(まぁ実話なのかもしれないけど)ちょっとキャラクター的に
ついていけないものを感じました。
「事故は人間が起こす」んですねぇ。
彼もどこかで人の話を聞けるようになっていればここまではいかないのに・・・。

さてハワードは数々の女優と浮名を流すなどその女性遍歴でも有名な人なんだけど、
この映画では特にキャサリン・ヘップバーンとエヴァ・ガードナーとの関わりをクローズ・アップしている。

キャサリン・ヘップバーンをケイト・ブランシェットが、
エヴァ・ガードナーをケイト・ベッキンセールが、とこちらでの話題性も充分。
実在の大女優を演じることってすごく難しいとは思うけれど、
2人とも気品があって、それでいて激しいという魅力的な女性を
演じていたな。

キャサリンと付き合っていた頃の方がハワードには余裕もあって人間的にも好感がまだ持てるんだけど。

ハワードが買収したTWA、それとパンナムという全米を代表する航空会社が国際線の利権をめぐって米議会を巻き込んでの抗争など、スケールの大きな部分もあります。

けれどこの映画はハワードという人の内面、飛行気乗りとして、事業家としての
おかしなまでの情熱を(空回りしていく悲劇的な面も満遍なく)
描いてしまっているので、
どちらかというと「彼1人が主役な映画」みたいだね。

そのあたりで好き嫌いはハッキリ別れるんじゃないかと。

実在の人物だし、もうちょっと背景を知りたいという気持ちもあります。

映画の公開にあわせて関連書籍も何冊か出てるようですね。

ハワード・ヒューズ
ジョン・キーツ 小鷹 信光

おすすめ平均
楽しく読めます
合作のよう

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これは1968年(ハワードがまだ生きていた頃)に出たジョン・キーツの評伝。ハワード・ヒューズ関連のものではもっともよく知られた古典。

ハワード・ヒューズヒコーキ物語
藤田 勝啓

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航空機雑誌のライター/編集者が書いた「ヒコーキ乗り」としてのハワードに焦点をあてた評伝。

映画でわかりづらかった点の補足にもなっていると思うので
これを読んでみようかなと思います。







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      トラックバック by ひらりん的映画ブログ — 2005/3/28 月曜日 @ 3:43

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      マーティン・スコセッシ監督作品
      レオナルド・ディカプリオ主演
      ハワード・ヒューズの半生を描いた作品。
      この映画、只単に、ヒューズがアビエイター(飛行家)だ…

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      ハワード・ヒューズの波瀾万丈人生の一部をすっぱ抜いたスケールの大きな(成金)映画。
      長過ぎ・・長いんだよ。起承転結がよく分からなくて、分からないままお時間なので終了します、そんな終わり方だった。最も波瀾な一時を描いた映画だろうから人生の中途半端なところで話が終わるのはしかたがないのだろうかもしれないけれど、ハワード・ヒューズを知らない人には何のこっちゃな映画だ。見るな…

      トラックバック by tsublog@theatre — 2005/5/18 水曜日 @ 18:14


    コメント

    1. 「アビエイター」鑑賞しました。アカデミー賞の作品賞を競っていましたから、かなりの期待をしていったのですが、裏切られたような感じでした。

      飛行機や美術など芸術面は150億円をかけた大作とあって凄みを感じましたが、やはり「スコセッシの映画」と観てしまいますから、社会性が軽薄すぎると感じてしまいます。ディカプリオが製作総指揮を務めていることもあり「ディカプリオの映画」として観に行くべきだと思いました。

      10点中5点くらいです。
      MyBlogで「アビエイター」を10点満点でレイテリングして頂く企画を始めました。宜しかったら投票にご協力ください♪

      TBさせていただきます。宜しくお願いします。

      コメント by tommy-style — 2005/4/2 土曜日 @ 17:54

    2. >tommy-style さん

      どうも初めまして。御返事遅くなってしまいました。すみません」。

      僕も最初の期待度がけっこう高かったんで、厳しいことを書いてしまいました。
      TBでいろんなBlogを見てみましたが、ハワード・ヒューズについてちゃんと調べた人にはおおむね高評価のようです。
      やっぱりちょっと予備知識があったほうがいい。
      そういう意味では敷居の高い映画でもあるんですね。

      >飛行機や美術など芸術面は150億円をかけた大作とあって凄みを感じましたが、やはり「スコセッシの映画」と観てしまいますから、社会性が軽薄すぎると感じてしまいます。

      このあたりはどうなんでしょう。
      社会性がなにを差しているかで変わってくるのでしょうが。

      例えばハワード・ヒューズがもっと表に出て行く人だったら
      もうちょっと描きやすいとは思うんですね。
      終盤の公聴会のシーンぐらいですからね、出て行くの。

      ディカプリオはハワード・ヒューズをかなり研究したそうですね。
      ただ彼は童顔なので後半は何歳なんだかちょっとわかりづらかったですね。

      >MyBlogで「アビエイター」を10点満点でレイテリングして頂く企画を始めました。宜しかったら投票にご協力ください♪

      はい、それでは投票してみますね。

      コメント by Black Pepper — 2005/4/4 月曜日 @ 6:41

    3. ハワード・ヒューズ関連本から「ハワード・ヒューズヒコーキ物語」(藤田 勝啓 /著)という本を入手。
      読み始めています。

      そのあたりのことも含めて、本文を手直ししました。

      やっぱ背景を知るとハワード・ヒューズという人は
      相当の変わり者だったみたいですね。

      コメント by Black Pepper — 2005/4/5 火曜日 @ 17:21

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