Black Pepper’s Blog

1日の2本目は「容疑者　室井慎次」でした。
「交渉人　真下正義」に続く「踊る大捜査線」のスピンオフ第2弾。
こちらの監督は君塚良一さんでタイトル通り
「あの室井管理官が逮捕される」のが目玉。いったいなぜ。

容疑者　室井慎次 (2005年　/　日本）

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監督：君塚良一
出演：
柳葉敏郎
田中麗奈
哀川翔
佐野史郎
筧利夫
真矢みき
柄本明
八嶋智人
ほか

(あらすじ　goo映画　）
新宿で起きた殺人事件で、捜査本部長を務めていた室井。事件は被疑者が逃走中に事故死して決着したが、室井は疑問を拭いきれず捜査を続行する。その頃、被疑者の母親が捜査の行き過ぎを指摘し、室井を告訴した。室井の弁護についたのは、津田法律事務所の新米、小原久美子。名うての弁護士集団を率いる灰原弁護士を相手に、久美子は室井の釈放に奔走するが、その頃警察機構内では意外な思惑が交差していた…。

ほんと直球で、マジメな「室井さんらしい」映画。

今回は舞台が湾岸署から新宿北署に変わり、
あの室井さんも捜査方法の行き過ぎを指摘され、
民事告訴される。
彼は「牢に入る」のだ。

彼の弁護に当たる新人弁護士小原に田中麗奈。
無難にこの役を演じているけど、
どちらかというと新人である彼女に
「頼みましたからね」と信頼を寄せる室井さんの姿の方が迫力がある。

室井さんが警察庁から警視庁への出向という形をとっていたことから
事件、裁判が両者の政治的なかけひきの材料になってしまったり。
さらに沖田（真矢みき）や新城（筧利夫）ら室井さんを知る旧友たちの
必死の「法、組織の中での攻防」が物語に厚みを増す。

今回の敵役は「オタク弁護士」灰島（八嶋智人）。
目が死んでいるし、人と会っているときも携帯ゲームを続ける姿は異様だ（笑）。
八嶋さんはこのあたりうまい。

さらに柳葉敏郎さんとは「一世風靡セピア」でのかつての仲間
哀川翔が新宿北署の熱血刑事、工藤役で登場。
このあたりも因縁を感じさせる部分ではあるし、
役にもハマっている。

湾岸署からはスリー・アミーゴスが登場。
セリフの上だけだが湾岸署の面々の「その後」も少し語られ、
シリーズのファンには楽しめる。

TVシリーズとの比較で行くと。
「現場がちゃんと仕事できるように俺は上に行く」と
かつて語っていた室井さんが
「現場ではそうなんです」と完全に「現場サイド」の人間に
変貌していたのが感慨深い。
このあたり室井さんが青島と出会って変わった部分であり、
出てはこないけれどこの物語の背景に青島や和久さんが
しっかりいるということの証明だろう。
そして工藤を初めとする現場の刑事たちは
「そんな室井さんだから」ついていくのだ。

さすがに警察庁に辞職届を出した後も捜査を続けられるのには
相当ムリがあるけど（笑）。

一貫してシリアスに仕上げた今作。
犯人や謎解きの部分も含めてきわめて「笑い」が少ない。

意外な静けさもあって「交渉人　真下正義」の派手さ、スピード感とは
また別の魅力のある作品。

どちらが好きかとかそういう話で盛り上がるのもいいかもしれない。

余談だけどこれだけの大ヒット作になると
「普段映画館行かない」人もくるからやっぱりマナーの面できつい出来事も。
僕の左隣のおじさん、上映中口をくちゃくちゃさせることを続けていて
他の人に注意されても「うるさいな」とやめなかった。
あと席を途中で立つ人やポップコーン食う人も多くて、イヤーンな感じだった。

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