一両二分の女
一両二分の女 平岩 弓枝

文芸春秋 2005-01
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第9巻。8編を収録。

「猫屋敷の怪」

これはかなりコワイです。
ホラーというよりは「猫にそんなことをしちゃうなんて」という部分でね、かなり気持ち悪い。
猫で三味線作れるんだよ。
そんなことも知らなかった東吾がちょっとおかしかった。

「美人の女中」

「かわせみ」の人手が足りなくなり、新たに女中を雇うがこのおきたという娘は
気に入った男性客の部屋には入り浸る、客の選り好みをするというちょっと困った女性だった。
そんなとき「かわせみ」のお客の部屋から80両が盗まれ、身分不相応なお金を持っていたおきたに疑いの声がかかる。
「これは自分のお金なんです」と彼女は言うが・・・。

おきたがお金を手にした理由というのがうまくできていて。軽く楽しめる話。

「川越から来た女」

深川の長助(本業は蕎麦屋で、家族にその店はまかせてもっぱら奉行所の「お手先」として深川一帯の情報を集め、いざ捕縛、取り込みの際には子分を動員して協力する。気のいい親父で魚釣りが趣味)に連れられ大川に夜釣りに行く東吾。
魚は釣れないが身投げをしたと思われる娘を発見する。運よく命をとりとめた娘は名をお三重といい川越から来たという以外はほとんど身の上を明かさない。
一方現場周辺で行き会った松五郎という植木職人が今度は大川で死体で発見される。

お三重が川越から出てきた理由が色恋からだろうとあたりをつけてからの展開が早い。
ラスト、世の無常も感じさせ、うまい。

(読了日 2007/3/3)







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