恋文心中 < 新装版> 御宿かわせみ 15
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文藝春秋 2005-10-07
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おすすめ平均 star
star「祝言」に感動。本当によかった。

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第15巻。8編を収録。

この巻でとうとうるいと東吾が結婚する。

「雪女郎」

1月。大雪でかわせみの屋根瓦が破損し、屋根の修理を頼んだ材木問屋の甲州屋に、東吾は「雪女郎」の噂を聞く。たびたびの目撃談から世間を騒がせてはいけないと畝源三郎は捜査に乗り出す。とうとう雪女郎が人を殺したとの情報が。

東吾にしても源三郎にしても雪女郎のたたりという世間の噂は相手にもしないところがなんともらしいし、それでいて七重に赤ん坊の前で女郎の話なんてと叱られているところが笑える。

「恋文心中」

世の中不穏につきということで急遽東吾は神田駿河台にある講武所(幕営の武芸練習所)教授方を申し付けられる。さらに月の半分を築地の軍艦操練所に行くよう命を受ける。勝安房守(勝海舟)の推薦だという。月のうち奇数日を駿河台に、偶数日を築地にと冷や飯食いだった東吾は一気に忙しくなる。
そんな中軍艦操練所で知り合った坪内文二郎というものから相談を受ける。
大名家にお仕えする妹が500両よこせと何者かからおどしを受けているというのだ。

意外といえば意外な展開。女のこわさのようなものも感じさせる。

この回から東吾の生活が一変し、月に10日通っていた狸穴にも行けなくなるし、
兄通之進の隠居話も立ち消えとなる。
気になる「かわせみ」のゆくすえだが、新たに夫婦2人の部屋を増築し、
東吾は八丁堀ではなくこちらで寝起きすることになる。いいのか(笑)。

「祝言」

6月末。るいと東吾の祝言がしめやかに行われた。

みな泣き、思い思いの祝福の言葉をかけるなか、東吾はついに「かわせみ」に落ち着く。名実ともにかわせみの主人だ。

翌日泊り客の本田殿から相談を持ちかけられる。20年前に八丁堀近くにあった播磨屋という畳問屋の娘が今どうしているかわからないかと。言い交わした娘を残し、国許の播磨(兵庫)に帰ったが折悪しく大火で町が瓦礫の山となり、以来娘の行方もわからないという。

主人公2人の結婚ということで節目的な回。
かわせみも存続し、東吾も仕事をしながら時間があるときには事件に乗り出すという、物語的には
理想的な展開になった。まぁ、お話ですから(笑)。

「浮世小路の女」

両国で浄瑠璃講釈(講釈に三味線をあわせて芝居仕立てで興行する)をしている菊花亭秋月と三味線弾きおてい。おていが高橋良典という医者にもてあそばれたと秋月が訴え出たが、その真偽を知りたいという。

美しい女芸人秋月が登場するが、この人がまた東吾の幼馴染(ごく短いもので東吾は忘れてしまっていた)ということでややこしい。

医者がらみということでまたも麻生宗太郎が登場する。

(読了日 2007/3/21)







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