ロスト・イン・トランスレーション
劇場鑑賞渋谷シネマライズで「ロスト・イン・トランスレーション」を観てきました。
写真家でもあるソフィア・コッポラの第2作。
アカデミー賞ではオリジナル脚本賞を受賞。
舞台は現代の日本ということでこちらの話題性も充分ですね。
シネマライズではスカーレット・ヨハンソンのこの(↓)
顔が気になって、気になって(笑)。
画像クリックで公式サイトへ
監督 :ソフィア・コッポラ
出演 :
ビル・マーレイ
スカーレット・ヨハンソン
ジョバンニ・リビシ
アンナ・ファリス
ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)はかつての一流スター。
今回の訪日はサントリーのウイスキーのCF撮影のためだが、奥さんや子供から逃げ出して羽根を伸ばしたいという気持ちもどこかにあった。
しかし撮影所ではやたらと「テンション上げて!」とどなりまくるデリカシーのないディレクターに悩まされ、ホテルでも毎晩バーで
ショウを観る以外にこれといってすることもない。
彼は東京の生活に退屈しきっていた。
シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は新婚2年目。
夫の写真家ジョン(ジョバンニ・リビシ)の仕事に着いてきたのだが、彼女自身は特にすることもなく、ホテルで行われている生け花教室などにも顔を出すが、どうにも時間をもてあまし、退屈していた。
夫につきまとう女優の派手な言動にもウンザリ気味な彼女はバーで同じように
退屈していたハリスと意気投合する。
ジョンが福岡に撮影に行ってしまうと、シャーロットはハリスと急接近する。
「この街を、いやな仕事から脱出してみないか」
彼らの冒険が始まった。
日本、それも東京が舞台ということで「見たことのある風景」が続々登場する。
新宿歌舞伎町、渋谷スクランブル交差点、お台場、京都、そして西新宿の高級ホテル、パークハイアット東京。
日本人からするとかなりこそばゆいんだけど、日本の街を「外から見ると」こういう風に見えるのか、という意味ではこれはなんとも面白い。
彼らの行くところが
ホテルのバー、客室はともかく、ゲームセンター、パチンコ、カラオケ・ボックス、クラブ、街頭での選挙カーとまさに「日本」としかいいようのないところなのがおかしくて。
それと日本人の使う英語のおかしなところもガンガン出てきて。
例えば「tension」や「smile」は乱発するとおかしい。
「good」もときと場合を考えないと。
ちょっとした気遣いができないと相手を野蛮人扱い(ひいては自分も野蛮人=エイリアンと思われる)してることになってしまうので要注意。
今回見てる我々もそういった「カルチャー・ギャップ」「勘違い」の部分で笑っていた。まぁこういうのもあんまり行き過ぎるとスノビッシュ(あ、死語だ)だからヤバイんだけどさ。
そういった「距離感」の使い方、つまりどうやっても異国にいるときは
「エイリアン的」な孤独感を感じてしまうよね、という部分は
よくかけている。
でもそれ以上にこの映画がいいのは、より普遍的な部分、
「人間同士の1対1の距離感」というものがうまく描けている点だと思う。
例えばハリスとシャーロットは二人で窮屈な生活圏、表の東京から
「脱出」して、クラブに行き、いかがわしい文化人とへべれけに飲んで彼らの部屋で遊び、互いの部屋にも入り浸って、あらゆる「会話」をするんだけどSEXの関係はない。
どこかでお互いの配偶者(ハリスの妻は不機嫌な国際電話越しでしか出てこないけど)のことを気にかけているし、ハリスは「子供ができるとね、人生が変わるんだよ」なんてありがたくもない説教までする始末だ。
それでもハリスがほかの女と寝ていることを知ったときのシャーロットの反応は「アレ?」という感じだったし、二人の間にまったくそういう感情がなかったかといったらウソになるわけで。
東京という異国にいる間だけ芽生えた「友情のようなもの」。
このあたりの表現はさすがに女性監督なだけあってデリケートですね。
映像的には気をてらった部分はないけど安心して見られるな。
音楽はブライアン・ノイツェルが手がけているけど、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインを初めとしてニュー・オーダー、ブライアン・イーノなどの初期シンセを意識させるとても耳障りのいいナンバーが。
はっぴいえんどの「風をあつめて」が数回効果的に使われているけど、これはノイツェルと親交のあるコーネリアス(小山田圭吾)の選曲だそうだ。
参考サイト
・ロスト・イン・トランスレーション オリジナル・サウンドトラック(amazon)
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ロスト・イン・トランスレーション Lost in Translation
週末にシネ・リーブル梅田で見て来ました。
レイトだったので、空いてました。
シネ・リーブル梅田は梅田スカイビルにある私のお気に入り映画館。
なんといっても…
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こんにちは☆
私は途中退屈かなぁとも思いつつ、
頑張って?最後まで観て、映画館出た時は「あぁ~なんか素敵な映画だったわ~」と思いました。
ラストシーンが特に素敵でした。
ビル・マレーのくたびれ加減とスカーレット・ヨハンソンの乾いた感じが良かったです。
トラバはらせてもらいました。
コメント by ともっち — 2004/8/12 木曜日 @ 7:23
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こんにちは。コメント、トラバありがとうございます。
この映画ストーリーって言うよりも風景ばかり見てて(けっこう知ってるところばかりでした)、そういう意味では僕は全然退屈しなかったんですが。
>ビル・マレーのくたびれ加減とスカーレット・ヨハンソンの乾いた感じが良かったです。
そうですねぇ。
「なんでそんなにくたびれてるの?」ってつっこみを入れながら(笑)。
逆にああいうシチュエーションじゃないとお互いのことを意識もしなかった二人かもしれませんね。
トラバありがとうございます。
コメント by Black Pepper — 2004/8/12 木曜日 @ 7:45