「ディボース・ショウ」に続いて早くも現れたコーエン兄弟の新作はトム・ハンクス主演のコメディ。
1956年のイギリス映画『マダムと泥棒』のリメイク作ということ。
ゴスペルや南部トラディショナルをふんだんに使った音楽も聴きどころ。

レディ・キラーズ (2004年 / アメリカ)

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監督・脚本: ジョエル&イーサン・コーエン
音楽総指揮: T・ボーン・バーネット
出演:
トム・ハンクス
イルマ・P・ホール
マーロン・ウェイアンズ
J・K・シモンズ
ツィ・マー
ライアン・ハースト

(あらすじ goo映画
ミシシッピ川のほとりの一軒家に暮らすマンソン夫人は、悪しき行いを許さぬ敬虔なクリスチャン。ある日、夫人の家に上品な紳士が訪ねてくる。男は教会音楽の研究者を名乗り、マンソン家の間借りを申し出る。実は男の正体は「教授」の異名を持つ天才的な大泥棒だった! 教授の狙いはミシシッピ川に浮かぶカジノ船の金庫。翌日から演奏仲間を装った4人の犯罪エキスパートがマンソン家の地下室に集まり、カジノに向けてのトンネル掘りが始まった。だが彼らの計画は、マンソン夫人の存在によって意外な展開を迎えてゆく…。

コーエン兄弟でアメリカ南部というとジョージ・クルーニーの「オー・ブラザー」が非常に笑えたのでこれもイケるんじゃないかとかなり期待してました。

トム・ハンクス演じる「教授」は教会音楽(ジャンル的にはバロック時代などの古楽器を演奏するいわゆる「古楽」)に関する知識をマンソン夫人にまくしたてることで、なんとか取り入ろうとするけれど、この知識は口だけのもので全然身についていない。
彼が集めたチームのメンバーは

将軍(ツィ・マー): アジア系のヒゲが渋いおじさん。趣味のタバコを「うちは禁煙だよ」というマンソン夫人に禁止され、彼女が来るとタバコを食べてしまう。

パンケイク(J・K・シモンズ):採掘現場に長くいた爆薬のスペシャリスト。53歳の「恋人」を仕事につれてきたために仲間とモメる。ある意味で一番現実的な人物。

ガウェイン(マーロン・ウェイアンズ):水上カジノに清掃員として潜入し、スパイ、内部の手引きを担当する。だがあまりにも粗暴な態度でカジノ側から解雇されそうになってしまう。ドレッド・ヘアーでヒップホップ好き。

ランプ(ライアン・ハースト):がたいがいいだけで選ばれた力持ち。素直でなんでもやるが、自分の頭でほとんど考えようとしない。顔も「なんにも考えてません」と書いてあるようで、すごいです。

ちょっと「プロ集団」というにはお粗末過ぎるメンバーかな。
地下室で「古楽器の練習」をしてるという言い訳をしてどんどんトンネルを掘っていく。

マンソン夫人は敬虔なクリスチャンで教授のスノッブな雰囲気が逆に気に入ったようだけど、彼女の「親切心」(紅茶を差し入れに持っていってやったり、友達を『演奏聴きに』家に呼んできたり)がこの犯罪集団にとっては「最大の強敵」になってしまう、というのがキモなんだけど。

彼女のキャラクターづけが非常に単純で先が読めてしまうんですよね。
コメディーとしてはこれでもいいのかもしれないけど。

トム・ハンクスの言っていることにも説得力はなかったです。
仲間たち4人の顔はマヌケで見てて笑えましたけど。

後半の展開もちょっと繰り返しが多くて、つらかったです。

期待値が大きすぎたかな?

「オー・ブラザー」や「ディボース・ショウ」といったジョージ・クルーニー出演作は非常にキレのいいコメディーなので、そちらをオススメします。







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