ビッグ・フィッシュ
劇場鑑賞けっこう前に観たんですが、なかなか感想がまとめられず・・・。
気に入らなかったんじゃなくて、「気に入りすぎちゃった」んですけどね。
かなり独りよがりな感想になってしまいましたが、
この映画の好きな人と語りたいという気持ちはこれでもあるんですよ(言い訳)。
ビッグ・フィッシュ (2003年 アメリカ)
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監督: ティム・バートン
脚色: ジョン・オーガスト
原作: ダニエル・ウォレス
出演:
ユアン・マクレガー
アルバート・フィニー
ビリー・クラダップ
ジェシカ・ラング
ヘレナ・ボナム=カーター
スティーヴ・ブシェミ
ダニー・デヴィート
アリソン・ローマン
ロバート・ギローム
マリオン・コティヤール
(あらすじ goo映画)
人生の終わりを迎えようとするエドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)。愛する妻や息子、嫁に囲まれ、幸せに暮らしていたが、その語る「僕の人生」はほとんどホラ話。神話のような壮大な「ホラ」は皆に愛されていたが、30を迎えようとする息子のウィル(ビリー・クラダップ)はそんな父からなんとか「真実」を引き出そうと。
(感想)
ティム・バートンの新作は、「親子の愛」「夫婦の愛」を正面にすえた感動作だ。
とはいえその仕掛けは彼らしいものだ。
壮大な「ホラ話」を具現化するためのセット、衣装、メイキャップ、CG。
感覚的にはミニマルで「オタクっぽい」ディテールを相変わらず追求している。このあたりで往年のファンにはニヤリ。
「シザーハンズ」を思わせるロマンチックさが復活していますね。
なんの臆面もなく4mを超える大男が現れ、時の経過を感じさせない「魔女」(これをバートンの奥さんであるヘレナ=ボナム・カーターが演じる)の住む街は街全体が「サーカス小屋」のような「幻の街」。
彼が湖に飛び込んでつかむ「ビッグ・フィッシュ」。
この「サカナ」もウソくさい大きさ。
*ALCで調べると
big fish
大物{おおもの}、重要人物{じゅうよう じんぶつ}
fish story
ほら、ほら話、大言{たいげん}、まゆつばもの
と出ている。
エドワードは
若い頃(回想時代)をユアン・マクレガー
年老いてからをアルバート・フィニーが演じている。
アルバート・フィニーは実にうれしそうに「ウソ」をつく。
そのウソをみんなが愛していて、特に身重の嫁(マリオン・コティヤール)
は「それで、それで」と話を聞いてくれない息子にかわって彼の話を「引き出す」。
彼のウソはどれもとてつもない。
巨人くんと2人で故郷から出たとき、迷い込んだ「幻の街」スペクター。優しい人ばかりが住むこの街でエドワードは「未来が見える」魔女に「運命の女性」を告げられる。
ずっといてもいいよと言われたこの街からエドワードは抜け出す。
次に彼が来たのはサーカス。
お客として現れたサンドラ(アリソン・ローマン)を『運命の女性」だと感じたエドワードはサーカス団の団長(ダニー・デヴィート)に「彼女の情報をもらえるのなら代わりにサーカスで働こう」という契約をする。ちょっとこれはすご過ぎ(笑)。
冷静に考えてみるとエドワードや例の巨人君なんかはサーカスなどの「非日常の世界」じゃないと生きていくのは難しいんだろうけれど、そのあたりをサラリと見せている。
彼女の居場所を教えてもらい、訪ねたエドワード。
だが彼女には婚約者がいるのだという。
「僕の愛はこんなに大きいんだ」
家の前に「一面の水仙の花」を敷き詰めた。
写真のシーンだけどここは夢にあふれてるなぁ。
結婚後エドワードは召集され、戦争に行く。
「危険な目にあえば早く帰れる」ともっとも危険といわれた落下傘部隊に志願するエドワード。
こんな感じでえんえんと「ホラ」が続く。
ジャーナリストである息子のウィル(ビリー・クラダップ)はどうしても父の言うことが信じられなかった。
けれど母サンドラ(ジェシカ・ラング、老いてもやはり美しい)
の持っていた「証拠」から父の話がすべてデタラメではなかったことに
気付くあたりから、話はクライマックスへ。
ここは劇場でも泣いている人もいたけれど、
いいシーンです。実際に観て確かめてみてくださいね。
人が亡くなろうとするとき、そのとき周りの人は何がしてやれるだろうか。
「あなたの人生は、いい人生だったね」
って言ってやることができたら。
充分過ぎるんじゃないだろうか。
ファンタジーでしか語れないもの。
子供のようなオトナであるティム・バートンがまた新しい「おとぎ話」を
作ってくれました。
最高!
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