わからなくなってきました
わからなくなってきました 宮沢 章夫

新潮社 1999-12
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おすすめ平均 star
starわからない人たち
starわからなくなれます
star大声を出して笑ってしまう面白さ

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まったくもってわからない(笑)。僕は文章で笑うことに飢えているのかもしれない。だから宮沢 章夫さんの本を読む。笑う。たぶんこれでいいのだ。

第1章は三題噺の体裁をとっているがたとえば「がまんする人・確認しない人・タレントの人」「日々のプロレス・アキレス腱を伸ばす・胴上げ再び」「黒人たちが踊っている・知りたがっている・家に帰るまでが遠足だ」とまったく関係なさそう。そして実際読んでみるとほんとうに関係ない(笑)。3つのバラバラな話を順番に並べただけだ。
なんかこのへんの場面転換の妙というか、シチュエーション、言葉のインパクトへのこだわりと言ったところがこの人が劇作家出身ということの証左なのかもしれない。

中でも強烈なヤツを。
「胴上げ再び」から。
胴上げを競技化したらという妄想から「全国胴上げ選手権」へと発展し、そこで行われるのはやはり超難度の胴上げだろうと「背面胴上げウルトラE難度スペシャル」「背面胴上げ回転ウルトラE難度スペシャルクイック」とどこかの競技から持ってきたような名前をおもいつく。
そこで優勝するのはというところからやはりそれは青森のねぶただろうと彗星のごとく「八戸ブラックスター胴上げクラブ」が登場し、「八戸ねぶたダイビング」を披露する。「出たねぶた」とみなに賞賛された彼らは優勝し、そのよろこびをまた胴上げで表現し、宙に舞う。

オチまで一気に突き進む爽快感が身上。

(読了日 2006/12/27)







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