平岩 弓枝 / 横浜慕情 -御宿かわせみ 27
Book横浜慕情―御宿かわせみ〈27〉 | |
平岩 弓枝
文藝春秋 2003-04 おすすめ平均 |
第27巻。8編を収録。
「三婆」
夏。深川では霊巌寺の富くじが話題になっている。
地元の3人の老女、姉妹なのだが富くじをまとめ買いしてお互いになぜかいがみあっている。
当選の発表があっておつる婆さんの持っていた「ほの十一番」が一等の百両となったのだが、これがおかめ婆さんが買ったものを譲ったもの(?)だったことからまた争いが起こる。
時々こういう欲の皮がつっぱった話というのが出てきて。
おかしいんだけどどこかユーモラスでもある。
「浦島の妙薬」
かねてから約束の横浜見物に源太郎、花世を連れて行ってやることに。
ちょうど「かわせみ」の客で横浜で商売をしている浦島屋太郎兵衛に東海道子安村での浦島寺の話を聞き、寄ってみることに。
ところが子安村でもてなしを受けた後、浦島屋が急死してしまい、弟だという実直な男が「自分が兄を殺してしまった」と東吾をたずねてくる。
浦島屋はたいへんな甘いもの好きであり、彼が食べたあんころ餅に毒が入っていたか否かが焦点となる。東吾は朝から甘いものというのは苦手なようだ。
「横浜慕情」
一行は横浜に着き、麻生宗太郎の取引相手である薬問屋の千草屋に世話になる。
異人を見たと喜ぶ源太郎に花世。
浅間山に登ることになった一行。きつい坂だが上りきると絶景が待っていた。
ところがそこで首をくくろうとした異人を見つけ助けることに。
男は東吾がかつて長崎で知り合ったイギリスの船員ジョンで、横浜で美人局にあってしまい、百両を要求されとても払えないと自殺を考えたのだという。
横浜のエキゾチックな魅力、時代の変動を感じながらもいかにも「かわせみ」らしい事件が起こる。このあたりのバランスが味か。
(読了日 2007/5/6)
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